2019年09月23日

交響曲第8番(シューベルト D 944)その3

その1その2 より続く

この曲のタイトルとしては「ハ長調」なのですが
第2楽章267小節目からの約60小節間と
第3楽章 Trio は#が3つの「イ長調」になります

勿論ハ長調の所でも臨時記号が付いて一時的に
別の調になるところもあるのですが、
楽譜の左端の音部記号(ト音記号・ヘ音記号・ハ音記号)の
隣に#や♭があると、その数の変化で推測が出来ます

あるいは移調楽器の場合は in C から in A に変わるなどの
形で推測が出来ます Cla や Trp は一部箇所で in A 表記の
譜面に変わります。

Cla の場合は第2楽章だけ in A の表記ですが♭3つから♭無しへ
第3楽章は in C の表記で#無しから#3つに変わるので
何がしたいのかな?と思ってしまいます (^^;)

で、Hr の場合はというと最初から最後まで in C 表記でして
転調するところでも Hr の楽譜の場合はト音記号の隣に
#や♭は付きませんので(注:シューベルトの場合の話です)
合奏中に「A-dur になる所から」と言われても「???」
となる事があります (;^^)
・・・そう言われれば他の所よりも「ミ」(E) や「ラ」(A)
の音の割合が多いかな? その位の認識です 

オチが無い話でどうもすみません m(_ _;)m

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posted by トトロ △◎/ at 21:02| Comment(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月16日

交響曲第8番(シューベルト D 944)その2

その1より続く)

当団第12回定期演奏会パンフレット作成にあたり
下記拙文を寄稿しました (;^^)

今回の定期演奏会ではシューベルト作曲の交響曲第8番「グレート」を取り上げます。
加東フィルにとりましては2007年の第2回定期演奏会で第1楽章を取り上げて以来
12年ぶりになるのですが、今回は全楽章を演奏いたします。
この作品は「グレート」と呼ばれていますが、シューベルトの交響曲第6番が同じハ長調のため、
第6番と区別する意味で編成の大きな第8番を「グレート」と呼ぶようになりました。
ですからタイトルとは違い、拍子抜けするほど牧歌的なホルンの演奏からこの曲は始まります。
その後は「歌曲王」として知られるシューベルトの作品らしく歌心に溢れながらも、
わずか31年の短い生涯の最後に病魔と闘いながら書き上げたとは到底思えないような
若々しく疾走感のある作品です。どうかご期待ください。


本稿では、上記文中「疾走感のある作品」と書いた点について
補足したいと思います。

通常、交響曲においては第2楽章もしくは第3楽章に
緩徐楽章と呼ばれるテンポの遅い楽章を挟むことが多いのですが
「グレート」においては第2(3)楽章が他の楽章に比べて
穏やかに聴こえるものの、ドボルザーク「新世界より」の第2楽章や
ベートーベン「第九」の第3楽章のように明らかにテンポの遅い
楽章はありません

実際、楽譜上のテンポ表記は次の通りです

第1楽章 Andante 〜 Allegro ma non troppo 〜 piu mosso

第2楽章 Andante con moto 
     参考サイトによると「歩く速さで」+「動きを持って」

第3楽章 Allegro vivace

第4楽章 Allegro vivace

上記のように第2楽章は第1楽章の序奏部よりも躍動的な
ニュアンスで書かれています。

交響曲に関する解説にもある通り、
「急・緩・急」を基本として交響曲は進化してきたのですが
シューベルトの場合は以前にも書いた通りメロディの移ろいを 
楽しむ書き方になっているので、テンポの変化には頼らないのだと
思います(あくまでも私個人の意見です)

ちなみに、他のシューベルトの交響曲では第4番「悲劇的」も
第2楽章は他の楽章より緩やかですが「緩徐楽章」ほどの
遅いテンポではありません。途中になると「悲しみが疾走する」
というイメージがあります(個人的主観)

話を「グレート」に戻しますと、
ある日の合奏練習で吉澤先生より「寝落ちするほど」安心して
聴いて頂ける演奏が当面の目標と仰られましたが
通常の交響曲での緩徐楽章(「新世界より」なら第2楽章)
のような箇所がこの曲にはありません。
その意味でも安定して聴こえる事の重要性があるように思います

パンフレット表面にも書いてありますが
「シューマンが『天国的な長さ』と評した」事について
次稿で取り上げたいと思います

(その3へ続く)
 
posted by トトロ △◎/ at 11:38| Comment(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月15日

交響曲第8番(シューベルト D 944)その1

11/10開催の当団第12回定期演奏会では
シューベルトの交響曲第8番(通称:グレート)を取り上げます

いつものように wikipedia による曲目解説はこちら
作曲家についてはこちら
昨年書きました「未完成」の曲目解説はこちら

まず最初は第1楽章冒頭8小節の譜面です
gakufu-001.jpg
(Horn in C )

これが伴奏なしでホルンにより奏でられます
「グレート」と呼ぶには余りにも牧歌的な始まりですが
第1楽章の軸となるフレーズです

ところで、この譜面を見て思うのですが・・・

一般的な楽曲では8小節のフレーズの場合
4小節×2 あるいは 2小節×4 に分けることが出来ます
ところがこの箇所の場合は
3小節+3小節+2小節 あるいは 2+1+2+1+2 
のように思えるのです

「2小節×4」であれば「起承転結」になるのですが
「3+3+2」や「2+1+2+1+2」でどのように
「起承転結」を作るのかと思っていたところ
「6小節目」をそのまま2倍に伸ばしたものが
「7〜8小節目」だと気が付きました

つまり
「2+1+2+1」で起承転結を作り、
最後の2小節は「『結』のダメ出し」と考えると
私の中で腑に落ちるものがありました
(異論はあると思います)

この交響曲には他にも4・8小節単位ではないフレーズが
随所にありまして、演奏する側としては厄介なものがあります(^^;)

もう一点、この譜面についてホルン的に書きますと
この曲が書かれた時代(1820年代)ではまだバルブのない
ナチュラルホルンの時代でした。
しかしながら、ちょうど同時期というかD番号
1つ前の D943 に ホルン独奏によるオブリガードを伴う
歌曲「流れの上で "Auf dem strom"」という作品がありまして、
この曲に使われているホルンは現在のようなバルブ付のホルンなのです

(この曲については私の個人ブログにも15年前に拙文を書いています

ベートーベンの第九交響曲の第3楽章のホルンソロも
バルブ付ホルンを所有していた人が初演のソロを務めた(?)
ということもありまして、この時代はちょうど端境期と言えます

で、何が言いたいかと、、、

(興味の無い方は読み飛ばして構いません ^^;)
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2019年05月26日

教会カンタータ第147番(J. S. バッハ BWV147)

6月30日の加東混声合唱団定期演奏会にて
混声合唱団と合同演奏する曲をご紹介します

例の如く 作曲家 (J. S. Bach) についてwikipediaでは こちら
本曲に関する wikipedia の紹介は こちら

元々のタイトルは「心と口と行いと生活で」なのですが
この中の曲に有名な『主よ、人の望みの喜びよ』が含まれており
この曲を含む数曲を今回お送りします
(諸事情によりどの曲かは当日のお楽しみ)

上記リンクによると2部構成の全10曲からなり

<第1部>
 第1曲 合唱「心と口と行いと生活で」
 第2曲 レチタティーヴォ「祝福されし口よ」
 第3曲 アリア「おお魂よ、恥ずることなかれ」
 第4曲 レチタティーヴォ「頑ななる心は権力者を盲目にし、最高者の腕を王座より突き落とす」
 第5曲 アリア「イエスよ、道をつくり給え」
 第6曲 コラール合唱「イエスはわたしのもの」(Wohl mir, daß ich Jesum habe)

<第2部>
 第7曲 アリア「助け給え、イエスよ」
 第8曲 レチタティーヴォ「全能にして奇跡なる御手は」
 第9曲 アリア「われは歌わんイエスの御傷」
 第10曲 コラール合唱「イエスは変わらざるわが喜び」(Jesus bleibet meine Freude)

(wikipediaより引用)

実は第1部の最後6曲目と第2部最後の10曲目は
同じメロディで違う歌詞が歌われます
この2曲が『主よ、人の望みの喜びよ』と呼ばれています

そもそも「カンタータ」とはイタリア語で「歌う(cantare)」から
由来していて器楽伴奏付の声楽作品を指しています(参考リンク

で、「教会カンタータ」ですからキリスト教のイエス様を
称える歌だと分かるのですが、昨年の混声定期で演奏しました
モーツァルトの戴冠ミサと何が違うのかと言いますと
ミサ曲はカトリックの様式に従ったものですが
バッハ自身はルター派プロテスタント)の教会に居ましたのでそういうことになりました。

この曲の本来の使われ方としては、第1部の演奏後に牧師による説教があり
その後に第2部を演奏するということなので『主よ、人の望みの喜びよ』
が演奏されると「締め」ということになります (^^;)
確かに「締め」に相応しい曲だと思います

ところで、バッハの作品一覧によると
教会カンタータだけでも200作品あり(各作品ごとに数曲から10曲あります)
気の遠くなりそうな数の作品があります

しかもこれらのほとんどが1723年のライプツィヒ聖トーマス教会に
職を得てから4〜5年の間に書かれています(紛失した作品もあるそうです)
ちなみに、ベートーベンの第九交響曲が1824年作曲との事なので
それよりも100年前の作品になります
(それこそ本曲は1724年の作品なのでベートーベン「第九」のちょうど100年前ですね)

解説になったのかどうかよく分かりませんが
要は、現在様々な形態で演奏されることの多い
『主よ、人の望みの喜びよ』のオリジナルということで
憶えて頂ければそれでいいのではないかと思います (^^;)
 
posted by トトロ △◎/ at 11:50| Comment(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月24日

喜歌劇「ジプシー男爵」序曲(J.シュトラウス2世)

スプリングコンサート2019の曲目解説として今回は
J.シュトラウス2世作曲の「ジプシー男爵」序曲を取り上げます

例の如くwikipediaによる解説はこちら
作曲者についての解説はこちら
喜歌劇のあらすじはこちら

(筆者注)近年「ジプシー」の表記は諸事情により「ロマ」と言い換えられていますが
楽曲のタイトル名でもありますのでこのままの形で表記します


J.シュトラウス2世の喜歌劇では「こうもり」が有名なので
陰に隠れがちなのですが、19世紀の後半に多くの作曲家が
ハンガリー的な要素を題材に選んでいるようで
(中でもブラームスの「ハンガリー舞曲」が特に有名です)
この作品もハンガリー人による短編小説が原作になっています

簡単に話をまとめると

事情により「流浪民」に身をやつした旧領地の継承者と
「流浪民」に身をやつしたトルコ太守の娘が恋に落ち
「伝説の財宝」探しと「男爵」の地位を取り戻すため
スペインとの戦争に赴く、、、結果やいかに

という内容です (^^;)

序曲では、J.シュトラウス2世の作品にしては重厚な
印象のある序奏に続いてクラリネットやフルートのカデンツァ
更にオーボエの独奏が続きます。その後お得意のウインナワルツを経て
最後はチャルダッシュ風の音楽で最後に向かいます。

ウイーンの人から見たハンガリーという異国情緒を
どのように表現出来るのかが演奏上のポイントなのかも知れません

・・・いつもよりは解説らしく出来たのかな?(;^^)
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