今回の当団定期演奏会で取り上げる曲目の中で
2曲に「全音音階(ホールトーン・スケール)」が出てきます
(どの曲に出てくるかは後日の当ブログで紹介予定です)
詳細は上記リンクを参照するとして簡単に言えば
通常 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド の音階では
「ミ・ファ」と「シ・ド」の間が半音しかないのに対して
全音音階では ド・レ・ミ・ファ#・ソ#・ラ#・ド となり
全て半音×2の間隔となる音階ということです。
その分6音で1オクターブとなる訳です。
一方、民謡では5音で1オクターブとなる五音音階
(ペンタトニック・スケール)が用いられていまして
メジャー/マイナーなどにより場所の違いはありますが
半音×3の間隔の所が2ヶ所出てくる音階になります。
「蛍の光」などスコットランド民謡に日本語の歌詞を当てた歌が
日本人に馴染み深いのはこの五音音階によるものです
個々の音階の詳細についてはこちらを参照頂ければ幸いです
全て半音間隔の半音階はともかく
チェレプニンによる9音音階というのにはビックリしました
(半音間隔と全音間隔を交互にして9音で1オクターブの音階)
伝統的な西洋音楽では「調性」というものを重視しているのですが
「全音音階」や「9音音階」などは調性に対する感覚を無視する
ような事になるので、これらの音階を最初に使うことはかなり
勇気が必要であったと思われます。
この2曲は時代的には「ロシア(帝政)」と「ソヴィエト」ということで
全く違うのですが、西欧との違いを出したいという意味で一致して
いるのかも知れません。