3月のスプリングコンサートの曲目紹介第1弾です
ワルツ王として知られるJ.シュトラウス2世による
喜歌劇(オペレッタ)の2作目にして代表作とも言える作品です。
作者の得意とするワルツやポルカがふんだんに織り込まれた
内容になっています。
いつもながら詳しい内容についてはこちらを参照頂くとして
(#おいおい)
そもそも「こうもり」というタイトルなのに「コウモリ」は
この喜歌劇中には登場しません (^^;)
この作品の主なキャストを挙げますと
アイゼンシュタイン男爵(主人公)
ロザリンデ(主人公の妻)
ファルケ博士(主人公の悪友であだ名が「コウモリ」)
アルフレード(ロザリンデの昔の恋人)
アデーレ(女優志望のアイゼンシュタイン家の家政婦)
オルロフスキー公爵(舞踏会の主催者)
刑務所長フランク
(以下のあらすじを語る上で必要最小限のキャストを挙げました)
第1幕
舞台はアイゼンシュタイン男爵(Baron)の屋敷
アイゼンシュタイン男爵は暴行事件を起こして短期の禁固刑に
処せられました。その収監前日にファルケ博士がアイゼンシュタインを
オルロフスキー公爵主催の舞踏会に誘い出します。
一方、アルフレードはアイゼンシュタインの留守をいいことに
ロザリンデと逢引しようと企みます。ロザリンデは世間体を気にしつつも
アルフレードの好意にはまんざらでもない様子です。
家政婦のアデーレはアデーレで重病の伯母の見舞いと称して
休暇を貰い、姉を通じて招待された舞踏会へ向かうのでした
(姉は姉で招待状は妹から貰ったとの事でこれも仕組まれていた訳です)
アイゼンシュタインとアデーレが屋敷から出たあとロザリンデが
アルフレードを招き入れて密会していると、どういうわけか
刑務所長フランクが屋敷に現れてアイゼンシュタインを連行しに
来たとの事。不倫が発覚するのを恐れたロザリンデはアルフレードに
アイゼンシュタインの身代わりになるように要請してアルフレードは
哀れにも捕えられ刑務所行きとなりました。
で、実はこの刑務所長も舞踏会に招待されているのです。
さらには、ロザリンデもファルケ博士からの手紙により
この舞踏会に参加することになるのです。
第2幕
オルロフスキー公爵(Duke)の屋敷が舞台
ここではまさに舞踏会が催されています
刑務所に入っているアルフレードがいないのは兎も角、
主催者オルロフスキー公爵を除く上記メンバーは
身元を偽ってこの舞踏会に参加しています。
ロザリンデは仮面を着け、ハンガリーの貴婦人として
参加しています。
ロザリンデはロザリンデのドレスを着用して参加しているアデーレや
旦那のアイゼンシュタインに気付きましたが、旦那がロザリンデに
気付かないのを良いことに口説かれたふりをして後で証拠となる
アイゼンシュタインご自慢の懐中時計(ベルで音楽が鳴るもの)を
言葉巧みに取り上げるのでした。
他にも登場人物間の色々なやり取りがあるのですが省略します
詳しくはこちらを参照下さい
ともかく舞踏会というよりもドンチャン騒ぎとなった
宴会の夜は更けるのでした。
夜が明けて鐘が鳴ると(#この鐘も序曲の中で表現されています)
アイゼンシュタインと刑務所長はそそくさと会場を後にするのでした
・・・この後、この二人が刑務所で再開するとはつゆ知らず (^^;)
第3幕
第2幕までの華やかな貴族の邸宅とはうって変わって
刑務所が舞台
ここまでのいきさつがありましたので
オルロフスキー公爵とファルケ博士以外のキャストが
ここでも登場しましてドタバタ劇が繰り広げられます
(中略 詳細はこちらを参照)
最後にファルケ博士が登場して
これはファルケ博士が「こうもり」と呼ばれる原因となった
昔の事件についてアイゼンシュタイン男爵への復讐として
ファルケ博士が仕組んで、かつ、オルロフスキー公爵も
退屈しのぎにこの話に乗ったものだとネタばらしをして
<あらすじはここまで>
今回演奏するのは序曲なので喜歌劇の始まりで演奏されるのですが
本編の中身の予告の性格もありまして、曲中で使われるメロディは
当然本編中でも使われています。
その中で序曲の中盤(201小節目の4分の3)の物悲しいメロディから
その後227小節目からの4分の2の陽気なメロディに変わる所は
劇中では第1幕にロザリンデが夫のアイゼンシュタインとの別れを嘆く
歌を歌っているのに、いつの間にか夫妻と家政婦アデーレも含めた
3人がそれぞれの思惑があってついつい笑みがこぼれて踊りだす所に
現れます。ここは第1幕の名場面だと思っています。
・・・そういうところが伝わるように演奏出来るようにしたいと思います。
初めて曲目解説らしきものになりました (^^;)