11/10開催の当団第12回定期演奏会では
シューベルトの交響曲第8番(通称:グレート)を取り上げます
いつものように wikipedia による曲目解説はこちら
作曲家についてはこちら
昨年書きました「未完成」の曲目解説はこちら
まず最初は第1楽章冒頭8小節の譜面です
(Horn in C )
これが伴奏なしでホルンにより奏でられます
「グレート」と呼ぶには余りにも牧歌的な始まりですが
第1楽章の軸となるフレーズです
ところで、この譜面を見て思うのですが・・・
一般的な楽曲では8小節のフレーズの場合
4小節×2 あるいは 2小節×4 に分けることが出来ます
ところがこの箇所の場合は
3小節+3小節+2小節 あるいは 2+1+2+1+2
のように思えるのです
「2小節×4」であれば「起承転結」になるのですが
「3+3+2」や「2+1+2+1+2」でどのように
「起承転結」を作るのかと思っていたところ
「6小節目」をそのまま2倍に伸ばしたものが
「7〜8小節目」だと気が付きました
つまり
「2+1+2+1」で起承転結を作り、
最後の2小節は「『結』のダメ出し」と考えると
私の中で腑に落ちるものがありました
(異論はあると思います)
この交響曲には他にも4・8小節単位ではないフレーズが
随所にありまして、演奏する側としては厄介なものがあります(^^;)
もう一点、この譜面についてホルン的に書きますと
この曲が書かれた時代(1820年代)ではまだバルブのない
ナチュラルホルンの時代でした。
しかしながら、ちょうど同時期というかD番号で
1つ前の D943 に ホルン独奏によるオブリガードを伴う
歌曲「流れの上で "Auf dem strom"」という作品がありまして、
この曲に使われているホルンは現在のようなバルブ付のホルンなのです
(この曲については私の個人ブログにも15年前に拙文を書いています)
ベートーベンの第九交響曲の第3楽章のホルンソロも
バルブ付ホルンを所有していた人が初演のソロを務めた(?)
ということもありまして、この時代はちょうど端境期と言えます
で、何が言いたいかと、、、
(興味の無い方は読み飛ばして構いません ^^;)
この8小節間をナチュラルホルン(C管)で演奏する場合
自然倍音ではない音(「ラ」と「シ」のこと)が2つありまして
それも「ラ」(第7倍音「シ♭」の半音下)と
「シ」(第7倍音の半音上もしくは第8倍音「ド」の半音下)が
続けて出てくるので結構厄介なものです
・・・バルブのある楽器で良かったです (^^;)
この曲では他にも「ラ」の音が頻繁に出てくるので
将来バルブ付の楽器で演奏されることも
視野にあったのではないかと想像できるのです (;^^)
(その2)へ続く
2019年09月15日
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