その1ではブラームスが交響曲を書き始めるのに
20年もの年月を要した事から、他の有名な作曲家が
何歳で最初の交響曲を書いたのかという
およそ本題から外れた話題に終始しました(^^;)
本稿からは楽章別に独自の視点で深堀りしたいと思います
「その2」では第2楽章を取り上げます
上の楽譜は 1st Horn の第2楽章冒頭部分ですが
5/23付記事で紹介していました「 poco f 」が書かれています
「mf」とはどう違うのかについて吉澤先生から
「諸説あります」と前置きはありましたが
強い方から順に
f > mf > poco f > mp > p
と説明されました。
ちなみにこちらのページでも同じ趣旨で解説されています
昨年のチャイコフスキー「悲愴」では
pppppp を紹介しましたが
ブラームスでは mp と mf の間に
poco f という記号を置いていて、他の室内楽作品でも
poco f を用いています
(例 リンク先は紹介ブログ)
弦楽6重奏曲 第1番(作品18)と第2番(作品36)
クラリネット3重奏曲(cla、Vc、Pf 作品114)
以前にも強弱記号の話題を記事にしていました(2014.9.7付記事)
また、ベートーベンの「第九」では mp と mf が出てこない
という事も2016.3.16付記事に書いていましたが
今回の poco f でさらに奥深いものだと思いました(^^;)
続いて、最初の写真の楽譜に書かれている
「 in H basso 」についてですが
この曲を作曲した1877年は既に
バルブ付きのホルンが当たり前に使われていた時代です
ちなみに当団で以前に演奏した
バレエ音楽「コッペリア」(ドリーブ)の紹介記事(2012.10.7付)では
1番・2番ホルンはバルブなしの所謂「ナチュラルホルン」を用い
3番・4番ホルンはバルブ付きのホルンを用いる事としています
この「コッペリア」も1870年初演ということで
この頃のフランスではナチュラルホルンとバルブ付きホルンを
併用する作品がいくつか見られます(例:サン=サーンスの交響曲第3番)
話が脱線しましたが、ブラームスにおいては
ナチュラルホルンを使う事を前提として交響曲や室内楽作品を作曲しています
この点について深堀りするとさらに本題から外れるので
この辺でいったん置きます(^^;)
本題に戻りまして(^^;)
この交響曲は「ニ長調(D-major)」を基本としており
リンク先の解説にもある通り、弦楽器にとって
バイオリンの開放弦にD線があるため響きやすく、
金管楽器に多く使われるB♭管にとりましても
D音は第5倍音(下表参照)となるので
開放管の明るい音となるのです
ところが、第2楽章は「ロ長調(B♮-major)」
(ドイツ音名のBと区別するため敢て”♮”を付けています)
ドイツ音名では「H Dur」となりまして
これが冒頭に挙げた「in H basso」の由来になります
5/23の管分奏でご指導頂いたM先生から
この第2楽章は 元々の「ニ長調」の平行調である「ロ短調」の
更に同主調となる「ロ長調」という
面倒な調性の展開を行っているとの解説がありました
第2楽章が「ロ長調」を用いている関係で
長調にも関わらずあまり明るく感じられない曲想となっていて
そのようなところがブラームスの作品の特徴と言えると思います
記事の参考のためにも倍音について表にしました
(wikipedia の「倍音」より引用のうえ一部編集)
その3へ続く

