2024年10月06日

歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲(グリンカ作曲)

今回当団第15回定期演奏会ではチャイコフスキーの
交響曲第5番の前にこの曲を演奏します。

2008年4月にこの曲について書きました旧ブログ記事はこちら
ウィキペディアによる曲紹介はこちら
同じく作曲者グリンカに関する紹介はこちら

簡単に言えば騎士ルスランとキエフ大公の娘であるリュドミラの
婚礼の宴の最中に魔術師が現れてリュドミラを奪い去りました
大公はルスランとその場に居た若者達に娘を無事に取り戻した者に
改めて娘の結婚相手として認めると宣言したので、ルスランを
はじめとする若者たちによる救出のための冒険劇です(雑なあらすじ)
(このキエフというのは9〜13世紀にかけて存在した現在のロシア・フィンランド・
ベラルーシ・ウクライナの一部にまたがる国を指します)


旧ブログ記事でも書きましたが、プロオケでは演奏の速度競争(?)に
使われるような曲なので、当団での演奏は少し遅く感じられるのですが(^^;)
冒険活劇のワクワク感は決して演奏の速さの他にも要素があるはずなので
その点を感じていただけるような演奏になればと思います。

この曲は1800年代前半(1842年初演)に作られたということで
特に金管楽器にとりましてはバルブの無い楽器を用いていた事もあり
ホルンは4管あるのですが2種類の調性を2管づつ使う形でして
そのため1・2番ホルン(in A)だけ最後3小節が休みであり、
しかも最後18小節間は最後から5小節目アウフタクトからの
四分音符6個だけになっています。
3・4番ホルン(in D)は他の楽器と同様に演奏しているので
A管の自然倍音では使えない音ばかりという事が影響しています(^^;)
この曲の最後の音は全員実音D(レ)でこれをA管ナチュラルホルンで
演奏するのは倍音列の関係で非常に高い音か、閉塞音で演奏する必要があり
作曲者としては使うことを避けたものと思われます

その代わり中間部で12小節に亘っての吹き伸ばし×2回があります
ここは弦と木管の合いの手の背景で鳴っている所で
この部分がこの曲におけるホルンの聴き所と言えます(^^;)

なお、この曲の編成にはコントラファゴットも入っており
久々にこの楽器も登場します
(今回の定演ではこの曲のためだけに使います)
その点もお楽しみに (^^;)
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2024年05月16日

追悼

当団2016年11月開催「第九特別演奏会」にて演奏しました
加東市応援ソング「勇躍加東」の作曲者で、多くの楽曲を
通じて関西の音楽界に多大な功績を残されました
キダ・タロー氏が5/14に逝去されました。

「勇躍加東」の動画を紹介いたしまして
故人のご冥福をお祈りします 合掌


posted by トトロ △◎/ at 22:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年07月30日

交響曲第7番「未完成」(シューベルト D.759)その2

第14回定期演奏会ではシューベルト作曲の
交響曲第7番「未完成」(D.759) を取り上げます
シューベルトにはこの曲を含み4曲の未完成交響曲が
あるのですが、この稿では D.759 の作品の事とします

この曲については 2018.06.09付ブログ記事
一度書いているのですが、今回は第2楽章も含めた
完成分全楽章を演奏するにあたり追加したい話を
書いておきたいと思います。

今回演奏会パンフレットに掲載された曲目解説の
原文を載せます。(前述過去ブログ記事からの再構成です)

<以下パンフレット掲載文章>

今回の定期演奏会ではシューベルト作曲の交響曲第7番、所謂「未完成交響曲」を取り上げます。
加東フィルにとりましては2018年の加東混声合唱団第11回定期演奏会で
第1楽章を取り上げて以来の再演になるのですが、今回は第2楽章と合わせて
完成分全楽章を演奏いたします。
シューベルトが31歳の若さで亡くなった事と「未完成」と呼ばれていることから、
病魔と闘いながら作曲して力尽きた・・・というように想像されますが、
本作の作品番号(ドイチュ番号)では759番(D 759)でして、990番台まで番号があることと、
本作以後にも第8番の交響曲「ザ・グレート」(D 944)を書き上げていますので、
本作は第3楽章を書いていた途中で後が続かなくなり、その間に他の曲がどんどん創作され、
この曲を作りかけていたことすら忘れてしまったということが実際の所です。
(本作の初演はシューベルトの没後から37年経過しています)
シューベルトの交響曲はベートーベン/ブラームスの交響曲のような短いフレーズを積み上げて
大伽藍を構成するのではなく、「歌曲王」と呼ばれるだけあって、メロディの移ろいを
楽しむようなところがあり、後の作曲家ではドボルザークの交響曲にもその傾向が見られます。
チェロとコントラバスによる重々しい序奏から始まり緊張感のある第1主題とチェロが奏でる
穏やかな第2主題が交互に現れる第1楽章、上昇系の音形が消え入るように奏でられる所と
荘厳に演奏される所が交互に現れて消え入るように終わる事でどのように次の楽章へ
繋げるつもりであったのか色々想像できそうな第2楽章から成る本作をお楽しみください。

<ここまで>

パンフレットでは字数の関係で盛り込むことが出来なかった
補足の話を書いておきたいと思います。

第3楽章最初8小節間の序奏がシューベルト自身で
オーケストラ総譜として書かれており、そのあと暫くの間
ピアノ譜形式で書かれていますが途中で終わっています

色々な解説でも指摘されている通り、ここまで
第1楽章 4分の3拍子
第2楽章 8分の3拍子
第3楽章 4分の3拍子
全て3拍子で書かれていたのが
未完成で終わった原因とされています

確かに交響曲には3拍子の楽章を含んでいる事が多いのですが、
ドボルザーク交響曲第8番の第3楽章について書いた記事でも
触れているように、交響曲においては目先を変えるために
3拍子で書いた楽章を置いている事が殆どです。
そのため第1・2楽章を3拍子で書いて、3楽章も3拍子で
書き始めてしまったので第4楽章へどのように繋げれば
良いのかわからなくなったというのが一説として考えられます

ベートーベン「英雄」シューマン「ライン」のように
第1楽章が3拍子で始まる曲もありますが、
それでも3拍子は全体の半分という所です。

ところで、「未完成」の第1・2楽章は確かに3拍子で
書かれているのですが踊れる「舞曲」ではありません。
2小節合わせて2拍子的な(8分の6拍子的な)動きや、
2小節合わせて3拍子的な動き、さらにはシンコペーションを
組み合わせる事で単調にならないような工夫がなされています。
ある意味、3拍子だけで交響曲を作ろうとしていたのかも知れません
果たしてこの説はあっているのでしょうか (^^;)

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posted by トトロ △◎/ at 17:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月02日

ソーシャルディスタンス

5/20付記事では九州交響楽団のTwitter投稿
紹介いたしましたが、関西フィルでは6/27の定期演奏会の内容を
全面的に変更してソーシャルディスタンス対応で開催するそうです

関西フィルのブログ 6/2付記事より
「奏者間ソーシャルディスタンスの検証について」
 https://kansaiphil.jp/kansaiphil_news/12890/
「公演開催のお知らせ 6/27(土)第311回定期演奏会」
 https://kansaiphil.jp/kansaiphil_news/12888/


編成の小さな曲ばかりなので舞台配置は大丈夫そうですが
弦楽器も譜面台がプルト単位ではなく一人一台なので
音楽が途切れないように譜めくりするのが大変そうですね(^^;)
 
posted by トトロ △◎/ at 22:30| Comment(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月31日

リモート演奏

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言は解除されましたが
まだ安全宣言が出ていない状態では音楽活動もままなりません
当団の活動中止も3ヶ月が経過しまして、まだ少なくとも3ヶ月は
活動再開できない状況です

ところで、私の仕事関係ではWebによるリモート会議が
当たり前になりまして、出張などの移動の機会が
今後は減るのかなと思われます。

クラシック音楽界隈でも最近ではWeb動画を活用した
リモート演奏なるものを見かけるようになりました。

(参考記事)
音楽之友社online 記事より
「ニューヨーク・フィルのリモート合奏〜
動画制作プロセスと《ボレロ》に託すメッセージ」
https://ontomo-mag.com/article/interview/newyorkphilharmonic-bolero/

Yahoo! ニュース記事
プロの演奏家62人が自宅から“合奏”!あるオーケストラの「遠隔パプリカ」が最高
https://news.yahoo.co.jp/articles/b11a2e76c5419623ac761742dc08f3575200e91b

実際の所、テンポを合わせること、他の演奏が聞こえない中で演奏する事
また集まった演奏の動画ファイルの頭出しを揃える編集の手間を考えると
よっぽど好きな人ではないと出来ないと尻込みしてしまいます(−−;)

参考
テレワーク演奏(リモート演奏)の方法をシェアするよ
https://collabo-saitama.com/telework/

ともかく昨今のWeb環境の進展にはついて行けないなと
感じるようになりました今日この頃です (;−−)
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posted by トトロ △◎/ at 22:43| Comment(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月20日

緊急事態宣言解除されたとしても

活動停止中のため久々の投稿になります

本日(5/20)時点ではまだ発表されていませんが
緊急事態宣言解除の方向で進んでいるように思われます

(参考)神戸新聞HPより
 兵庫県立学校 緊急事態宣言解除で6月1日再開へ
 https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202005/0013356928.shtml

それでもイベント開催は難しいようでして
 運動会や音楽会が中止に 加古川市教委が発表(神戸新聞)
 https://www.kobe-np.co.jp/news/touban/202005/0013353499.shtml

オーケストラでソーシャルディスタンスを取ろうとすると・・・
 九州交響楽団のツイッターより
 https://twitter.com/KyushuSymphony/status/1262274320736194560

普段の練習では吉澤先生より奏者間の間隔が広がらないよう注意を受けるのですが
さすがに ↑ これではアンサンブルも難しそうですね(^^;)
 
posted by トトロ △◎/ at 23:35| Comment(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月23日

交響曲第8番(シューベルト D 944)その3

その1その2 より続く

この曲のタイトルとしては「ハ長調」なのですが
第2楽章267小節目からの約60小節間と
第3楽章 Trio は#が3つの「イ長調」になります

勿論ハ長調の所でも臨時記号が付いて一時的に
別の調になるところもあるのですが、
楽譜の左端の音部記号(ト音記号・ヘ音記号・ハ音記号)の
隣に#や♭があると、その数の変化で推測が出来ます

あるいは移調楽器の場合は in C から in A に変わるなどの
形で推測が出来ます Cla や Trp は一部箇所で in A 表記の
譜面に変わります。

Cla の場合は第2楽章だけ in A の表記ですが♭3つから♭無しへ
第3楽章は in C の表記で#無しから#3つに変わるので
何がしたいのかな?と思ってしまいます (^^;)

で、Hr の場合はというと最初から最後まで in C 表記でして
転調するところでも Hr の楽譜の場合はト音記号の隣に
#や♭は付きませんので(注:シューベルトの場合の話です)
合奏中に「A-dur になる所から」と言われても「???」
となる事があります (;^^)
・・・そう言われれば他の所よりも「ミ」(E) や「ラ」(A)
の音の割合が多いかな? その位の認識です 

オチが無い話でどうもすみません m(_ _;)m

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posted by トトロ △◎/ at 21:02| Comment(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月16日

交響曲第8番(シューベルト D 944)その2

その1より続く)

当団第12回定期演奏会パンフレット作成にあたり
下記拙文を寄稿しました (;^^)

今回の定期演奏会ではシューベルト作曲の交響曲第8番「グレート」を取り上げます。
加東フィルにとりましては2007年の第2回定期演奏会で第1楽章を取り上げて以来
12年ぶりになるのですが、今回は全楽章を演奏いたします。
この作品は「グレート」と呼ばれていますが、シューベルトの交響曲第6番が同じハ長調のため、
第6番と区別する意味で編成の大きな第8番を「グレート」と呼ぶようになりました。
ですからタイトルとは違い、拍子抜けするほど牧歌的なホルンの演奏からこの曲は始まります。
その後は「歌曲王」として知られるシューベルトの作品らしく歌心に溢れながらも、
わずか31年の短い生涯の最後に病魔と闘いながら書き上げたとは到底思えないような
若々しく疾走感のある作品です。どうかご期待ください。


本稿では、上記文中「疾走感のある作品」と書いた点について
補足したいと思います。

通常、交響曲においては第2楽章もしくは第3楽章に
緩徐楽章と呼ばれるテンポの遅い楽章を挟むことが多いのですが
「グレート」においては第2(3)楽章が他の楽章に比べて
穏やかに聴こえるものの、ドボルザーク「新世界より」の第2楽章や
ベートーベン「第九」の第3楽章のように明らかにテンポの遅い
楽章はありません

実際、楽譜上のテンポ表記は次の通りです

第1楽章 Andante 〜 Allegro ma non troppo 〜 piu mosso

第2楽章 Andante con moto 
     参考サイトによると「歩く速さで」+「動きを持って」

第3楽章 Allegro vivace

第4楽章 Allegro vivace

上記のように第2楽章は第1楽章の序奏部よりも躍動的な
ニュアンスで書かれています。

交響曲に関する解説にもある通り、
「急・緩・急」を基本として交響曲は進化してきたのですが
シューベルトの場合は以前にも書いた通りメロディの移ろいを 
楽しむ書き方になっているので、テンポの変化には頼らないのだと
思います(あくまでも私個人の意見です)

ちなみに、他のシューベルトの交響曲では第4番「悲劇的」も
第2楽章は他の楽章より緩やかですが「緩徐楽章」ほどの
遅いテンポではありません。途中になると「悲しみが疾走する」
というイメージがあります(個人的主観)

話を「グレート」に戻しますと、
ある日の合奏練習で吉澤先生より「寝落ちするほど」安心して
聴いて頂ける演奏が当面の目標と仰られましたが
通常の交響曲での緩徐楽章(「新世界より」なら第2楽章)
のような箇所がこの曲にはありません。
その意味でも安定して聴こえる事の重要性があるように思います

パンフレット表面にも書いてありますが
「シューマンが『天国的な長さ』と評した」事について
次稿で取り上げたいと思います

(その3へ続く)
 
posted by トトロ △◎/ at 11:38| Comment(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月15日

交響曲第8番(シューベルト D 944)その1

11/10開催の当団第12回定期演奏会では
シューベルトの交響曲第8番(通称:グレート)を取り上げます

いつものように wikipedia による曲目解説はこちら
作曲家についてはこちら
昨年書きました「未完成」の曲目解説はこちら

まず最初は第1楽章冒頭8小節の譜面です
gakufu-001.jpg
(Horn in C )

これが伴奏なしでホルンにより奏でられます
「グレート」と呼ぶには余りにも牧歌的な始まりですが
第1楽章の軸となるフレーズです

ところで、この譜面を見て思うのですが・・・

一般的な楽曲では8小節のフレーズの場合
4小節×2 あるいは 2小節×4 に分けることが出来ます
ところがこの箇所の場合は
3小節+3小節+2小節 あるいは 2+1+2+1+2 
のように思えるのです

「2小節×4」であれば「起承転結」になるのですが
「3+3+2」や「2+1+2+1+2」でどのように
「起承転結」を作るのかと思っていたところ
「6小節目」をそのまま2倍に伸ばしたものが
「7〜8小節目」だと気が付きました

つまり
「2+1+2+1」で起承転結を作り、
最後の2小節は「『結』のダメ出し」と考えると
私の中で腑に落ちるものがありました
(異論はあると思います)

この交響曲には他にも4・8小節単位ではないフレーズが
随所にありまして、演奏する側としては厄介なものがあります(^^;)

もう一点、この譜面についてホルン的に書きますと
この曲が書かれた時代(1820年代)ではまだバルブのない
ナチュラルホルンの時代でした。
しかしながら、ちょうど同時期というかD番号
1つ前の D943 に ホルン独奏によるオブリガードを伴う
歌曲「流れの上で "Auf dem strom"」という作品がありまして、
この曲に使われているホルンは現在のようなバルブ付のホルンなのです

(この曲については私の個人ブログにも15年前に拙文を書いています

ベートーベンの第九交響曲の第3楽章のホルンソロも
バルブ付ホルンを所有していた人が初演のソロを務めた(?)
ということもありまして、この時代はちょうど端境期と言えます

で、何が言いたいかと、、、

(興味の無い方は読み飛ばして構いません ^^;)
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2019年05月26日

教会カンタータ第147番(J. S. バッハ BWV147)

6月30日の加東混声合唱団定期演奏会にて
混声合唱団と合同演奏する曲をご紹介します

例の如く 作曲家 (J. S. Bach) についてwikipediaでは こちら
本曲に関する wikipedia の紹介は こちら

元々のタイトルは「心と口と行いと生活で」なのですが
この中の曲に有名な『主よ、人の望みの喜びよ』が含まれており
この曲を含む数曲を今回お送りします
(諸事情によりどの曲かは当日のお楽しみ)

上記リンクによると2部構成の全10曲からなり

<第1部>
 第1曲 合唱「心と口と行いと生活で」
 第2曲 レチタティーヴォ「祝福されし口よ」
 第3曲 アリア「おお魂よ、恥ずることなかれ」
 第4曲 レチタティーヴォ「頑ななる心は権力者を盲目にし、最高者の腕を王座より突き落とす」
 第5曲 アリア「イエスよ、道をつくり給え」
 第6曲 コラール合唱「イエスはわたしのもの」(Wohl mir, daß ich Jesum habe)

<第2部>
 第7曲 アリア「助け給え、イエスよ」
 第8曲 レチタティーヴォ「全能にして奇跡なる御手は」
 第9曲 アリア「われは歌わんイエスの御傷」
 第10曲 コラール合唱「イエスは変わらざるわが喜び」(Jesus bleibet meine Freude)

(wikipediaより引用)

実は第1部の最後6曲目と第2部最後の10曲目は
同じメロディで違う歌詞が歌われます
この2曲が『主よ、人の望みの喜びよ』と呼ばれています

そもそも「カンタータ」とはイタリア語で「歌う(cantare)」から
由来していて器楽伴奏付の声楽作品を指しています(参考リンク

で、「教会カンタータ」ですからキリスト教のイエス様を
称える歌だと分かるのですが、昨年の混声定期で演奏しました
モーツァルトの戴冠ミサと何が違うのかと言いますと
ミサ曲はカトリックの様式に従ったものですが
バッハ自身はルター派プロテスタント)の教会に居ましたのでそういうことになりました。

この曲の本来の使われ方としては、第1部の演奏後に牧師による説教があり
その後に第2部を演奏するということなので『主よ、人の望みの喜びよ』
が演奏されると「締め」ということになります (^^;)
確かに「締め」に相応しい曲だと思います

ところで、バッハの作品一覧によると
教会カンタータだけでも200作品あり(各作品ごとに数曲から10曲あります)
気の遠くなりそうな数の作品があります

しかもこれらのほとんどが1723年のライプツィヒ聖トーマス教会に
職を得てから4〜5年の間に書かれています(紛失した作品もあるそうです)
ちなみに、ベートーベンの第九交響曲が1824年作曲との事なので
それよりも100年前の作品になります
(それこそ本曲は1724年の作品なのでベートーベン「第九」のちょうど100年前ですね)

解説になったのかどうかよく分かりませんが
要は、現在様々な形態で演奏されることの多い
『主よ、人の望みの喜びよ』のオリジナルということで
憶えて頂ければそれでいいのではないかと思います (^^;)
 
posted by トトロ △◎/ at 11:50| Comment(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする