第14回定期演奏会ではシューベルト作曲の
交響曲第7番「未完成」(D.759) を取り上げます
シューベルトにはこの曲を含み4曲の未完成交響曲が
あるのですが、この稿では D.759 の作品の事とします
この曲については 2018.06.09付ブログ記事で
一度書いているのですが、今回は第2楽章も含めた
完成分全楽章を演奏するにあたり追加したい話を
書いておきたいと思います。
今回演奏会パンフレットに掲載された曲目解説の
原文を載せます。(前述過去ブログ記事からの再構成です)
<以下パンフレット掲載文章>
今回の定期演奏会ではシューベルト作曲の交響曲第7番、所謂「未完成交響曲」を取り上げます。
加東フィルにとりましては2018年の加東混声合唱団第11回定期演奏会で
第1楽章を取り上げて以来の再演になるのですが、今回は第2楽章と合わせて
完成分全楽章を演奏いたします。
シューベルトが31歳の若さで亡くなった事と「未完成」と呼ばれていることから、
病魔と闘いながら作曲して力尽きた・・・というように想像されますが、
本作の作品番号(ドイチュ番号)では759番(D 759)でして、990番台まで番号があることと、
本作以後にも第8番の交響曲「ザ・グレート」(D 944)を書き上げていますので、
本作は第3楽章を書いていた途中で後が続かなくなり、その間に他の曲がどんどん創作され、
この曲を作りかけていたことすら忘れてしまったということが実際の所です。
(本作の初演はシューベルトの没後から37年経過しています)
シューベルトの交響曲はベートーベン/ブラームスの交響曲のような短いフレーズを積み上げて
大伽藍を構成するのではなく、「歌曲王」と呼ばれるだけあって、メロディの移ろいを
楽しむようなところがあり、後の作曲家ではドボルザークの交響曲にもその傾向が見られます。
チェロとコントラバスによる重々しい序奏から始まり緊張感のある第1主題とチェロが奏でる
穏やかな第2主題が交互に現れる第1楽章、上昇系の音形が消え入るように奏でられる所と
荘厳に演奏される所が交互に現れて消え入るように終わる事でどのように次の楽章へ
繋げるつもりであったのか色々想像できそうな第2楽章から成る本作をお楽しみください。
<ここまで>
パンフレットでは字数の関係で盛り込むことが出来なかった
補足の話を書いておきたいと思います。
第3楽章最初8小節間の序奏がシューベルト自身で
オーケストラ総譜として書かれており、そのあと暫くの間
ピアノ譜形式で書かれていますが途中で終わっています
色々な解説でも指摘されている通り、ここまで
第1楽章 4分の3拍子
第2楽章 8分の3拍子
第3楽章 4分の3拍子
全て3拍子で書かれていたのが
未完成で終わった原因とされています
確かに交響曲には3拍子の楽章を含んでいる事が多いのですが、
ドボルザーク交響曲第8番の第3楽章について書いた記事でも
触れているように、交響曲においては目先を変えるために
3拍子で書いた楽章を置いている事が殆どです。
そのため第1・2楽章を3拍子で書いて、3楽章も3拍子で
書き始めてしまったので第4楽章へどのように繋げれば
良いのかわからなくなったというのが一説として考えられます
ベートーベン「英雄」、シューマン「ライン」のように
第1楽章が3拍子で始まる曲もありますが、
それでも3拍子は全体の半分という所です。
ところで、「未完成」の第1・2楽章は確かに3拍子で
書かれているのですが踊れる「舞曲」ではありません。
2小節合わせて2拍子的な(8分の6拍子的な)動きや、
2小節合わせて3拍子的な動き、さらにはシンコペーションを
組み合わせる事で単調にならないような工夫がなされています。
ある意味、3拍子だけで交響曲を作ろうとしていたのかも知れません
果たしてこの説はあっているのでしょうか (^^;)
続きを読む
2023年07月30日
2020年06月02日
ソーシャルディスタンス
5/20付記事では九州交響楽団のTwitter投稿を
紹介いたしましたが、関西フィルでは6/27の定期演奏会の内容を
全面的に変更してソーシャルディスタンス対応で開催するそうです
関西フィルのブログ 6/2付記事より
「奏者間ソーシャルディスタンスの検証について」
https://kansaiphil.jp/kansaiphil_news/12890/
「公演開催のお知らせ 6/27(土)第311回定期演奏会」
https://kansaiphil.jp/kansaiphil_news/12888/
編成の小さな曲ばかりなので舞台配置は大丈夫そうですが
弦楽器も譜面台がプルト単位ではなく一人一台なので
音楽が途切れないように譜めくりするのが大変そうですね(^^;)
紹介いたしましたが、関西フィルでは6/27の定期演奏会の内容を
全面的に変更してソーシャルディスタンス対応で開催するそうです
関西フィルのブログ 6/2付記事より
「奏者間ソーシャルディスタンスの検証について」
https://kansaiphil.jp/kansaiphil_news/12890/
「公演開催のお知らせ 6/27(土)第311回定期演奏会」
https://kansaiphil.jp/kansaiphil_news/12888/
編成の小さな曲ばかりなので舞台配置は大丈夫そうですが
弦楽器も譜面台がプルト単位ではなく一人一台なので
音楽が途切れないように譜めくりするのが大変そうですね(^^;)
2020年05月31日
リモート演奏
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言は解除されましたが
まだ安全宣言が出ていない状態では音楽活動もままなりません
当団の活動中止も3ヶ月が経過しまして、まだ少なくとも3ヶ月は
活動再開できない状況です
ところで、私の仕事関係ではWebによるリモート会議が
当たり前になりまして、出張などの移動の機会が
今後は減るのかなと思われます。
クラシック音楽界隈でも最近ではWeb動画を活用した
リモート演奏なるものを見かけるようになりました。
(参考記事)
音楽之友社online 記事より
「ニューヨーク・フィルのリモート合奏〜
動画制作プロセスと《ボレロ》に託すメッセージ」
https://ontomo-mag.com/article/interview/newyorkphilharmonic-bolero/
Yahoo! ニュース記事
プロの演奏家62人が自宅から“合奏”!あるオーケストラの「遠隔パプリカ」が最高
https://news.yahoo.co.jp/articles/b11a2e76c5419623ac761742dc08f3575200e91b
実際の所、テンポを合わせること、他の演奏が聞こえない中で演奏する事
また集まった演奏の動画ファイルの頭出しを揃える編集の手間を考えると
よっぽど好きな人ではないと出来ないと尻込みしてしまいます(−−;)
参考
テレワーク演奏(リモート演奏)の方法をシェアするよ
https://collabo-saitama.com/telework/
ともかく昨今のWeb環境の進展にはついて行けないなと
感じるようになりました今日この頃です (;−−)
続きを読む
まだ安全宣言が出ていない状態では音楽活動もままなりません
当団の活動中止も3ヶ月が経過しまして、まだ少なくとも3ヶ月は
活動再開できない状況です
ところで、私の仕事関係ではWebによるリモート会議が
当たり前になりまして、出張などの移動の機会が
今後は減るのかなと思われます。
クラシック音楽界隈でも最近ではWeb動画を活用した
リモート演奏なるものを見かけるようになりました。
(参考記事)
音楽之友社online 記事より
「ニューヨーク・フィルのリモート合奏〜
動画制作プロセスと《ボレロ》に託すメッセージ」
https://ontomo-mag.com/article/interview/newyorkphilharmonic-bolero/
Yahoo! ニュース記事
プロの演奏家62人が自宅から“合奏”!あるオーケストラの「遠隔パプリカ」が最高
https://news.yahoo.co.jp/articles/b11a2e76c5419623ac761742dc08f3575200e91b
実際の所、テンポを合わせること、他の演奏が聞こえない中で演奏する事
また集まった演奏の動画ファイルの頭出しを揃える編集の手間を考えると
よっぽど好きな人ではないと出来ないと尻込みしてしまいます(−−;)
参考
テレワーク演奏(リモート演奏)の方法をシェアするよ
https://collabo-saitama.com/telework/
ともかく昨今のWeb環境の進展にはついて行けないなと
感じるようになりました今日この頃です (;−−)
続きを読む
2020年05月20日
緊急事態宣言解除されたとしても
活動停止中のため久々の投稿になります
本日(5/20)時点ではまだ発表されていませんが
緊急事態宣言解除の方向で進んでいるように思われます
(参考)神戸新聞HPより
兵庫県立学校 緊急事態宣言解除で6月1日再開へ
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202005/0013356928.shtml
それでもイベント開催は難しいようでして
運動会や音楽会が中止に 加古川市教委が発表(神戸新聞)
https://www.kobe-np.co.jp/news/touban/202005/0013353499.shtml
オーケストラでソーシャルディスタンスを取ろうとすると・・・
九州交響楽団のツイッターより
https://twitter.com/KyushuSymphony/status/1262274320736194560
普段の練習では吉澤先生より奏者間の間隔が広がらないよう注意を受けるのですが
さすがに ↑ これではアンサンブルも難しそうですね(^^;)
本日(5/20)時点ではまだ発表されていませんが
緊急事態宣言解除の方向で進んでいるように思われます
(参考)神戸新聞HPより
兵庫県立学校 緊急事態宣言解除で6月1日再開へ
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202005/0013356928.shtml
それでもイベント開催は難しいようでして
運動会や音楽会が中止に 加古川市教委が発表(神戸新聞)
https://www.kobe-np.co.jp/news/touban/202005/0013353499.shtml
オーケストラでソーシャルディスタンスを取ろうとすると・・・
九州交響楽団のツイッターより
https://twitter.com/KyushuSymphony/status/1262274320736194560
普段の練習では吉澤先生より奏者間の間隔が広がらないよう注意を受けるのですが
さすがに ↑ これではアンサンブルも難しそうですね(^^;)
2019年09月23日
交響曲第8番(シューベルト D 944)その3
その1・その2 より続く
この曲のタイトルとしては「ハ長調」なのですが
第2楽章267小節目からの約60小節間と
第3楽章 Trio は#が3つの「イ長調」になります
勿論ハ長調の所でも臨時記号が付いて一時的に
別の調になるところもあるのですが、
楽譜の左端の音部記号(ト音記号・ヘ音記号・ハ音記号)の
隣に#や♭があると、その数の変化で推測が出来ます
あるいは移調楽器の場合は in C から in A に変わるなどの
形で推測が出来ます Cla や Trp は一部箇所で in A 表記の
譜面に変わります。
Cla の場合は第2楽章だけ in A の表記ですが♭3つから♭無しへ
第3楽章は in C の表記で#無しから#3つに変わるので
何がしたいのかな?と思ってしまいます (^^;)
で、Hr の場合はというと最初から最後まで in C 表記でして
転調するところでも Hr の楽譜の場合はト音記号の隣に
#や♭は付きませんので(注:シューベルトの場合の話です)
合奏中に「A-dur になる所から」と言われても「???」
となる事があります (;^^)
・・・そう言われれば他の所よりも「ミ」(E) や「ラ」(A)
の音の割合が多いかな? その位の認識です
オチが無い話でどうもすみません m(_ _;)m
続きを読む
この曲のタイトルとしては「ハ長調」なのですが
第2楽章267小節目からの約60小節間と
第3楽章 Trio は#が3つの「イ長調」になります
勿論ハ長調の所でも臨時記号が付いて一時的に
別の調になるところもあるのですが、
楽譜の左端の音部記号(ト音記号・ヘ音記号・ハ音記号)の
隣に#や♭があると、その数の変化で推測が出来ます
あるいは移調楽器の場合は in C から in A に変わるなどの
形で推測が出来ます Cla や Trp は一部箇所で in A 表記の
譜面に変わります。
Cla の場合は第2楽章だけ in A の表記ですが♭3つから♭無しへ
第3楽章は in C の表記で#無しから#3つに変わるので
何がしたいのかな?と思ってしまいます (^^;)
で、Hr の場合はというと最初から最後まで in C 表記でして
転調するところでも Hr の楽譜の場合はト音記号の隣に
#や♭は付きませんので(注:シューベルトの場合の話です)
合奏中に「A-dur になる所から」と言われても「???」
となる事があります (;^^)
・・・そう言われれば他の所よりも「ミ」(E) や「ラ」(A)
の音の割合が多いかな? その位の認識です
オチが無い話でどうもすみません m(_ _;)m
続きを読む