(その1)より続く
本稿では「交響曲にしては珍しい優美なワルツを取り入れた」について書きます
交響曲では基本的に複数の「楽章」で構成される
一種の「組曲」ですので(厳密には「組曲」と「交響曲」は違うのですが)
2拍子や4拍子ばかりでは、もちろん急緩織り交ぜているのですが
それでも目先を変えるために3拍子の所も入れたくなるわけで
例外もあるのですが、大概の交響曲では3拍子の楽章が1つだけ含まれています
この3拍子の楽章はハイドンやモーツァルトの時代(古典派)ではメヌエットでしたが
ベートーベンがスケルツォを取り入れてからはスケルツォが主流になりました
(ベートーベンの第1番の交響曲ではメヌエットと題されていますが、実質的にはスケルツォだといわれています)
私が知る範囲で交響曲の3拍子の楽章に
ワルツが取り入れられているのは、ドボルザークの8番以外で
ベルリオーズ「幻想交響曲」(第2楽章)と
チャイコフスキーの5番(第3楽章)です
他にありましたらご教示願います(^^;)
ドボルザークの8番(第3楽章)をワルツと表現しましたが
楽章の最後に2拍子のコーダがあるので
学問的には「舞曲」という事になるのだそうですが
雰囲気的にはワルツと言っても差支えないのではと思っています(^^;)
もう少し掘り下げたいところですがこの辺りで失礼します
2017年09月18日
2017年09月09日
交響曲第8番(ドボルザーク作曲)その1
9月は練習日記に代わり定期演奏会メイン曲の
曲目解説(怪説?)を書きます
いつものようにWikipediaによる曲目解説はこちら
作曲者のドボルザークについてはこちらのリンクを参照
演奏会パンフレット裏面に私が書いているものを最初に紹介します
今回の演奏会ではドボルザーク作曲の交響曲第8番を取り上げます。
作曲者のドボルザークはチェコの首都プラハ近郊の小さな農村で生まれ育ったということもあり、主に弦楽器で奏でられる田園風景を想わせるようなメロディや、木管楽器が奏でるさまざまな鳥の鳴き声を模したフレーズが全楽章に亘り演奏されます。
また、交響曲にしては珍しい優美なワルツを取り入れた第3楽章や、トランペットのファンファーレから始まる第4楽章と合わせて、色々な楽器の聴きどころをてんこ盛りに詰め込んだ心象風景のアルバムと言える作品です。
「スラブ舞曲」などでも知られるドボルザークの交響曲の中でも特に民族色の強い作品でありながら、世の東西を問わず親しまれる普遍的な「ふるさと」がこの曲にはあります。加東フィルによる心の「ふるさと」をどうか楽しみにしてください。
本稿(その1)では
「木管楽器が奏でるさまざまな鳥の鳴き声を模したフレーズ」について取り上げます
勿論、この曲は標題音楽ではありませんので
どのようにイメージしようとも自由なのですが
高い音・低い音の2音で区切って演奏されるところは
よく「カッコウ」に例えられます(#文章で表現しにくい)
参考サイトでは
ベートーベン「田園」や マーラー「巨人」が紹介されています
ベートーベン「田園」では クラリネットで実音の「レ」「シ♭」(3度)
(第2楽章 131小節目 楽譜表記は in B♭で「ミ」「ド」)
マーラー「巨人」では クラリネットで実音の「レ」「ラ」(4度)
(第1楽章 30小節目 楽譜表記は in B♭で「ミ」「シ」)
ドボルザーク8番では 第1楽章 121小節目に
フルートとオーボエで 実音の「ラ」「レ」(5度)
・・・これをカッコウに入れて良いのかどうか分かりませんが(^^;)
色々な音のカッコウがあるようです
他の鳥の表現についてもこちらのサイトの
右側リンクを参考に探されても面白いと思います。(^^;)
(その2へ続く)
曲目解説(怪説?)を書きます
いつものようにWikipediaによる曲目解説はこちら
作曲者のドボルザークについてはこちらのリンクを参照
演奏会パンフレット裏面に私が書いているものを最初に紹介します
今回の演奏会ではドボルザーク作曲の交響曲第8番を取り上げます。
作曲者のドボルザークはチェコの首都プラハ近郊の小さな農村で生まれ育ったということもあり、主に弦楽器で奏でられる田園風景を想わせるようなメロディや、木管楽器が奏でるさまざまな鳥の鳴き声を模したフレーズが全楽章に亘り演奏されます。
また、交響曲にしては珍しい優美なワルツを取り入れた第3楽章や、トランペットのファンファーレから始まる第4楽章と合わせて、色々な楽器の聴きどころをてんこ盛りに詰め込んだ心象風景のアルバムと言える作品です。
「スラブ舞曲」などでも知られるドボルザークの交響曲の中でも特に民族色の強い作品でありながら、世の東西を問わず親しまれる普遍的な「ふるさと」がこの曲にはあります。加東フィルによる心の「ふるさと」をどうか楽しみにしてください。
本稿(その1)では
「木管楽器が奏でるさまざまな鳥の鳴き声を模したフレーズ」について取り上げます
勿論、この曲は標題音楽ではありませんので
どのようにイメージしようとも自由なのですが
高い音・低い音の2音で区切って演奏されるところは
よく「カッコウ」に例えられます(#文章で表現しにくい)
参考サイトでは
ベートーベン「田園」や マーラー「巨人」が紹介されています
ベートーベン「田園」では クラリネットで実音の「レ」「シ♭」(3度)
(第2楽章 131小節目 楽譜表記は in B♭で「ミ」「ド」)
マーラー「巨人」では クラリネットで実音の「レ」「ラ」(4度)
(第1楽章 30小節目 楽譜表記は in B♭で「ミ」「シ」)
ドボルザーク8番では 第1楽章 121小節目に
フルートとオーボエで 実音の「ラ」「レ」(5度)
・・・これをカッコウに入れて良いのかどうか分かりませんが(^^;)
色々な音のカッコウがあるようです
他の鳥の表現についてもこちらのサイトの
右側リンクを参考に探されても面白いと思います。(^^;)
(その2へ続く)
2017年08月14日
歌劇「魔弾の射手」序曲(ウェーバー作曲)
当ブログにこの曲の紹介を書いていなかったことに
今頃気が付きました (^^;)
いつものようにWikipediaによる解説はこちら
作曲者ウェーバーの紹介はこちら
物語としては
ドイツに古くから伝わる伝説に登場する、7発中6発は必ず望んだところに命中するが、
残りの1発は悪魔の望むところへ命中する「悪魔の弾」を持つ射撃手の話で
恋人との結婚を認めてもらうために「悪魔の弾」を手に入れて射撃大会に出場し、
そのおかげで6発目までは正確に標的を射抜いて上々の成績を収めるのですが
いよいよ問題の7発目・・・その結果は前述のリンクを見てください(^^;)
曲としては弦楽器のユニゾンによる荘厳な序奏の後
ホルン4重奏による讃美歌を元にしたメロディを演奏します
1821年初演なので当時のホルンはバルブの無いナチュラルホルンでした
そのため1つのメロディを1番奏者と3番奏者が交互に演奏します
(1・2番奏者はF管、3・4番奏者はC管の楽器を使用していました)
2・4番奏者は1・3番がメロディを演奏するところの下支えをします
その後は不安にさせるような所や、クラリネット独奏による神秘的な所
大見得を切る所、歌劇の中に出てくる色々なテーマが出てきて
華やかに序曲の最後を締めます(別参照)
しかし、この歌劇に出てくる有名な「狩人の合唱」のメロディは
なぜか序曲の中には出てきません。
当団定演で一緒に演奏するバイオリン教室生のステージで
「狩人の合唱」を演奏する年もありますので、今年は分かりませんが
ありましたら面白いと思います (^^;)
いつものように取りとめのない解説になりました
(8/15一部修正)
続きを読む
今頃気が付きました (^^;)
いつものようにWikipediaによる解説はこちら
作曲者ウェーバーの紹介はこちら
物語としては
ドイツに古くから伝わる伝説に登場する、7発中6発は必ず望んだところに命中するが、
残りの1発は悪魔の望むところへ命中する「悪魔の弾」を持つ射撃手の話で
恋人との結婚を認めてもらうために「悪魔の弾」を手に入れて射撃大会に出場し、
そのおかげで6発目までは正確に標的を射抜いて上々の成績を収めるのですが
いよいよ問題の7発目・・・その結果は前述のリンクを見てください(^^;)
曲としては弦楽器のユニゾンによる荘厳な序奏の後
ホルン4重奏による讃美歌を元にしたメロディを演奏します
1821年初演なので当時のホルンはバルブの無いナチュラルホルンでした
そのため1つのメロディを1番奏者と3番奏者が交互に演奏します
(1・2番奏者はF管、3・4番奏者はC管の楽器を使用していました)
2・4番奏者は1・3番がメロディを演奏するところの下支えをします
その後は不安にさせるような所や、クラリネット独奏による神秘的な所
大見得を切る所、歌劇の中に出てくる色々なテーマが出てきて
華やかに序曲の最後を締めます(別参照)
しかし、この歌劇に出てくる有名な「狩人の合唱」のメロディは
なぜか序曲の中には出てきません。
当団定演で一緒に演奏するバイオリン教室生のステージで
「狩人の合唱」を演奏する年もありますので、今年は分かりませんが
ありましたら面白いと思います (^^;)
いつものように取りとめのない解説になりました
(8/15一部修正)
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2017年02月26日
ワルツ「酒、女、歌」(J.シュトラウス2世作曲)
当団スプリングコンサートで恒例(?)のワルツですが
今回はJ.シュトラウス2世の「酒、女、歌」を取り上げます
作曲者についてはこちらを参照
この作品は宗教改革で知られるマルティン・ルターの
「酒と女と歌を愛さぬ者は、生涯馬鹿で終わる」 (^^;)
という格言(?)に由来して後世創られた詩に
J.シュトラウス2世が曲をつけた作品で
1869年に男声合唱により初演されました。
J.シュトラウス2世の十大ワルツの一つに挙げられます
リンク先の解説にもある通り、並外れて長い導入部
(イントロ)を有するので、今回の演奏会では最初の99小節を
省略して100小節目のアウフタクトからの演奏開始になります。
一般にウィーンのあるオーストリアはカトリック系と言われていますが
プロテスタントの創始者であるルターの言葉を
取り上げるのはちょっと不思議な感じがします(^^;)
男声合唱曲として創られたということなので
どのような歌詞なのか興味深いのですが
調べた範囲では全体の日本語訳は見つけられませんでした
参照ページでは第1ワルツ部分の歌詞として
「さあ注げ、それ注げ……フランケン・ワインをたっぷり注げよ、なければ愛しのオーストリア産」(参照ページ引用)
と歌われています。
この「フランケン・ワイン」というのが気になりまして調べてみると、
代表的なドイツワインのモーゼルやラインとも違って
「ドイツワインは、一般に女性に例えられるのに対し、フランケンワインだけは常に男性的とされている。」(参考サイトより引用)
ということで、
機会がありましたら飲み比べてみたいものです(^^;)
この曲の原題は「Wein, Weib und Gesang」なのですが
「Wein」(ワイン)、「Gesang」(歌)は分かります
ところで、和独辞書で「女」を引くと「Flau」が出てきます
「Weib」を引くと、確かに「女」も出てきますが
どちらかというと「かかあ(母)」「女房」のニュアンスに
なるようです(^^;)
いつもながら話が脱線しました
続きを読む
今回はJ.シュトラウス2世の「酒、女、歌」を取り上げます
作曲者についてはこちらを参照
この作品は宗教改革で知られるマルティン・ルターの
「酒と女と歌を愛さぬ者は、生涯馬鹿で終わる」 (^^;)
という格言(?)に由来して後世創られた詩に
J.シュトラウス2世が曲をつけた作品で
1869年に男声合唱により初演されました。
J.シュトラウス2世の十大ワルツの一つに挙げられます
リンク先の解説にもある通り、並外れて長い導入部
(イントロ)を有するので、今回の演奏会では最初の99小節を
省略して100小節目のアウフタクトからの演奏開始になります。
一般にウィーンのあるオーストリアはカトリック系と言われていますが
プロテスタントの創始者であるルターの言葉を
取り上げるのはちょっと不思議な感じがします(^^;)
男声合唱曲として創られたということなので
どのような歌詞なのか興味深いのですが
調べた範囲では全体の日本語訳は見つけられませんでした
参照ページでは第1ワルツ部分の歌詞として
「さあ注げ、それ注げ……フランケン・ワインをたっぷり注げよ、なければ愛しのオーストリア産」(参照ページ引用)
と歌われています。
この「フランケン・ワイン」というのが気になりまして調べてみると、
代表的なドイツワインのモーゼルやラインとも違って
「ドイツワインは、一般に女性に例えられるのに対し、フランケンワインだけは常に男性的とされている。」(参考サイトより引用)
ということで、
機会がありましたら飲み比べてみたいものです(^^;)
この曲の原題は「Wein, Weib und Gesang」なのですが
「Wein」(ワイン)、「Gesang」(歌)は分かります
ところで、和独辞書で「女」を引くと「Flau」が出てきます
「Weib」を引くと、確かに「女」も出てきますが
どちらかというと「かかあ(母)」「女房」のニュアンスに
なるようです(^^;)
いつもながら話が脱線しました
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2017年02月19日
行進曲「ワシントン・ポスト」(スーザ作曲)
今回のスプリングコンサートではスーザ作曲の
「ワシントン・ポスト」を取り上げます
作曲者のスーザについてはこちらを参照ください
曲名にあるワシントン・ポストという新聞社が
1889年に当時アメリカ海兵隊楽団長であった
スーザに表彰式用の音楽として依頼した作品で
同氏の代表的な作品の一つに挙げられます
曲の冒頭リズムセクションを除くほとんどの楽器が
半音階でイントロを演奏するのが特徴的です。
他にも特徴的な点としてはトリオと呼ばれる中間部から
イントロへ戻らずに終わる所が挙げられます
(「星条旗よ永遠なれ」も同様の形式ですが行進曲としては例外的です)
8分の6拍子の軽快で華やかなメロディは
スプリングコンサートに相応しいように思われます。
スーザの行進曲は吹奏楽で演奏される機会が多いのですが
管弦楽では吹奏楽と調性が違うため一味違って聴こえるので
その点もまたお楽しみ下さい。
「ワシントン・ポスト」を取り上げます
作曲者のスーザについてはこちらを参照ください
曲名にあるワシントン・ポストという新聞社が
1889年に当時アメリカ海兵隊楽団長であった
スーザに表彰式用の音楽として依頼した作品で
同氏の代表的な作品の一つに挙げられます
曲の冒頭リズムセクションを除くほとんどの楽器が
半音階でイントロを演奏するのが特徴的です。
他にも特徴的な点としてはトリオと呼ばれる中間部から
イントロへ戻らずに終わる所が挙げられます
(「星条旗よ永遠なれ」も同様の形式ですが行進曲としては例外的です)
8分の6拍子の軽快で華やかなメロディは
スプリングコンサートに相応しいように思われます。
スーザの行進曲は吹奏楽で演奏される機会が多いのですが
管弦楽では吹奏楽と調性が違うため一味違って聴こえるので
その点もまたお楽しみ下さい。