2016年02月06日

歌劇と喜歌劇とミュージカル

今回のスプリングコンサートでは
当団が 歌劇「魔笛」序曲(モーツァルト) と
喜歌劇「こうもり」序曲(J.シュトラウス2世)
西脇小学校オーケストラ部が
ミュージカル「オペラ座の怪人」(アンドルー・ロイド・ウェバー)
を演奏します。

奇しくも3種類の歌で演じる演劇作品を取り上げます
他にも演劇に伴う音楽としては当団で演奏したことのある曲の中では
「ペール・ギュント」組曲(グリーグ) や 「ペレアスとメリザンド」(フォーレ)
「アルルの女」(ビゼー)などもありますが、これらは劇中のBGMであり
演者がセリフとして歌うものではないので本稿では除外します。

・・・本題に戻ります。
「歌劇(オペラ)」「喜歌劇(オペレッタ)」「ミュージカル」
違いについて色々と調べてはみたのですが(一応 wikipedia のリンクを記載)
結果的にはよく分かりませんでした。 (^^;)
(更には、ワーグナーの「楽劇」というものまで含めると訳分からない)

個人的なイメージとしては
歌劇(オペラ): ヨーロッパの王侯貴族の依頼により創られたもので
曲間のセリフにも音楽(レチタティーヴォ)が付けられているもの

喜歌劇(オペレッタ): ヨーロッパの市民階級のために創られたもの

ミュージカル: アメリカで発展したものでダンスを踊りながら歌われるもの

・・・と思うのですが、勿論例外もありまして
「魔笛」はモーツァルトの歌劇としては珍しく市民向け劇団のために
創られていますし、曲間はレチタティーヴォではなく普通に
セリフで語られています。

また、近年オペラとして創られた作品には王侯貴族は関係ありません
言語についてもオペラではイタリア語で創られた作品が多いですが、
「魔笛」はドイツ語ですし、近年は日本語も含めて色々な作品があります。

オペラ・オペレッタでもダンスはありますが、
基本的にオペラ・オペレッタにおいて歌手はマイク等の
音響装置を使わない事を前提にしているので
歌手とダンサーはそれぞれ別の演者が担当しています
(ヨーロッパの歌劇場にバレエ団も保有しているのはそのため)
一方ミュージカルでは歌手が歌いながら踊ります。
そのためミュージカルでは歌をマイク等の音響装置で拾うことを
前提としています。

一番大きな違いは前述の点ではないかと思いますが 
音楽面で何か上手く違いを言い表す表現が無いかと思っていたら
指揮者・作曲家として有名なレナード・バーンスタインによると
歌によってドラマが進行するのがオペラで、
ドラマの結果としての感情を歌に託するのがミュージカル

(出典:wikipedia「ミュージカル」
と仰せられてまして、私自身色々な作品に詳しい訳ではありませんが
何となくしっくりと来るような気がします。
 
本日はこの辺で失礼します (^^;)
posted by トトロ △◎/ at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月31日

常動曲(J.シュトラウス2世)

2/28のスプリングコンサートで演奏する曲の紹介です
『無窮動』(むきゅうどう)とも呼ばれることもありますが
ここでは『常動曲』とします。

いつものようにWikipediaでの紹介はこちら
作曲者のJ.シュトラウス2世についてはこちら

Wikipedia上の解説が少ないので今回も話が逸れそうです(^^;)

40代以上の世代にとっては
作曲家・指揮者として活躍された故山本直純さん司会による
TV番組「オーケストラがやってきた」のテーマ曲といえば
馴染があるかと思われます (^^;)
(放送が終了した1983年時点で私は高校生でした)

この曲の中間部でホルンが演奏するメロディーに合わせて
「オーケストラがやってきた〜♪ オーケストラがやってきた〜♪」
という歌詞をつけて観客も一緒に歌うのが
この番組開始時の「お約束」でした

前に紹介した「加速度円舞曲」がテンポの緩急の変化を
楽しむ曲であるならば、この「常動曲」はテンポが一定で
「オーケストラがやってきた〜♪」のフレーズを
主題とする変奏曲のような形になってまして、
それがいつまでも続くような構成になっています。

実際、どのようにこの曲を終わらせるのか
今の時点ではよく分かりません (^^;)

「加速度円舞曲」の項でも書きましたが
J.シュトラウス2世の活躍した時代は様々な機械が
続々と発明された時代であります。

その過程で「永久機関」というものも真剣に研究されていた
時代でもあり、そのことが『無窮動』(むきゅうどう)という
題名に繋がったのではないかと思われます (^^;)

「音楽の冗談」というサブタイトルが付いている通り
聴いていて楽しくなる曲なのですが、一方で楽器によっては
演奏が結構大変な曲です。それでも「大変さ」を感じさせない
演奏が出来るようになりたいものです。(^^;)
 
posted by トトロ △◎/ at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月11日

タイプライター(L.アンダーソン)

2月28日開催のスプリングコンサート
曲目紹介第2弾です
・・・今回も間違いなく話が逸れます (^^;)

Wikipediaによる曲目解説はこちら
作曲者(ルロイ・アンダーソン)の紹介はこちら

今回、当団ではこの曲の演奏にあたって
本物のタイプライターを使用します
DSC_0956.jpg

パソコンの普及した現在では、紙に文字を印字する方法としての
タイプライターの役割は99%終わってしまいましたので
(英文においてはカーボン複写が必要なケースに限定されました)
タイプライターという曲名が通用するのかという心配はありますが
L.アンダーソンの名作と言っても差支えないと思います (^^;)

タイプライターそのものは使われなくなりましたが
パソコンのキーボードの「qwerty配列」に残っています

この曲では曲中の所々でベルが鳴るのですが
ベルが鳴るにはそれなりに意味がありまして、

タイプライターには1行に印字できる範囲が決まっているので
単語の途中で文字が打てなくなるのを防ぐよう改行を促すため
ベルが鳴るようになっています。

ですから
実際には「文字を打つ」⇒「ベルが鳴る」⇒「文字を打つ」⇒「改行」
という場合と ベルが鳴らないうちに「改行」というのがありますが
「ベルが鳴る」が連続するような事はないと思います (^^;)

今回の演奏で使うタイプライターではベルが付いていない(?)ので
ベルは別モノなのですが、打楽器の人数が限られてますので
こういう手(足)を使います (^^;)

DSC_1687.jpg

また、この曲に限らず普通ヴァイオリンは1stと2ndに
分かれているのですが、当団ではこの曲と「フィドル・ファドル」では
ヴァイオリン全員が1stのパートを弾きます。その点にもご注目ください。

いつもながら取りとめのない話でした。
 
posted by トトロ △◎/ at 17:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月29日

ワルツ「加速度円舞曲」(J.シュトラウス2世)

来年2月28日開催のスプリングコンサートの
曲目解説第1弾として今回この曲を取り上げます。

img134a.jpg

いつものようにWikipediaによる曲目解説はこちら
作曲者J.シュトラウス2世についての解説はこちら

で、Wikipediaには
「初演は1860年の2月14日に、ゾフィエンザールにおいて催された
技術者舞踏会で行われ、作品はウィーン大学の技術学生に献呈された」
引用終)

そのくらいしか書かれていないので今回も話が逸れそうです(^^;)

以前の「美しく青きドナウ」の解説でも書きましたが
作曲された時代が日本で言えば幕末〜明治維新の頃にあたり
この時代は激動の時代だったといえます
ちなみに作曲された1860年でいうと日本では桜田門外の変
井伊大老が暗殺された年であり、アメリカではリンカーンが大統領に
当選、その直後に南部諸州が独立宣言して翌年に南北戦争が始まります

その一方で、科学技術の発展も進んだ時期であり
(悲しいことに戦争がこの時期の進歩に大きく寄与している)
吉澤先生とFgのFさんが大好きな鉄道も1830年に英国で
世界初の蒸気機関車による旅客鉄道が出来て以降、
公共交通機関として鉄道が欧州各地で建設されるのでした。
参照サイトはこちら

「加速度」というと私自身大学の専攻が物理学でしたので
どうしても a = dv/dt の数式から離れられないのですが (^^;)
速度が時間とともに変化するという意味で、要所要所で
テンポを速めていくところは曲名にピッタリだと思います。

話題を変えて、Wikipediaの解説に書かれていた
「ゾフィエンザール」に注目すると2001年までウィーンに
実在したホールで1950〜80年代にかけてはウィーンフィルの
レコーディングにも使われていた所だそうです。
(参考サイトはこちらこちら

それにしても「技術者舞踏会で行われ」とありますように
当時は色々な職業の集まりが「舞踏会」というのも
ウィーンらしいのかなと思いました (;^^)

いつものように取りとめのないない解説になりました。
また来年もご愛読のほど宜しくお願いいたします m(_ _;)m
posted by トトロ △◎/ at 11:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月15日

ハンガリー舞曲第1番(ブラームス)

今回の定期演奏会の曲目紹介も最後の1曲となりました

いつものように詳しくはこちらを参照ください(#おいおい)

ブラームスが所謂「ジプシーロマ)音楽」を基にして
ピアノ連弾用に編曲した作品集の中の今回演奏するのは第1番になります。

有名な第5番・第6番(ともに当団の演奏会でもよく演奏します)は
管弦楽編曲がブラームス本人ではないのに対して
今回の第1番はブラームスご自身が管弦楽用に再編曲した作品になります

で この稿で私が注目したいのは「編曲」ということです

簡単に言うと、メロディを作るのが「作曲」で
メロディに伴奏を当てるのが「編曲」です。

メロディと伴奏を一緒に「作曲」する事もありますが
メロディを基にして聴きやすいようにお膳立てする作業が
編曲ということになります

最初のリンクの記事にもある通りブラームスがレメーニという
ハンガリー出身のヴァイオリン奏者と演奏旅行した際に
レメーニから教えられたロマの民族音楽を基にして
ブラームスがこの作品(ハンガリー舞曲集)を発表しました。

この舞曲集がとにかく売れまくったので、レメーニは盗作であると
ブラームスを相手取って訴訟を起こしたそうですが、
ブラームスは自分の作曲ではなく編曲であると主張していたため
ブラームス側が勝訴したとの事です。

後に、ブラームスはドヴォルザークにアドバイスして
ドヴォルザークは「スラブ舞曲集」を発表するのですが
こちらは特徴を取り入れただけでオリジナルであるということで
「作曲」となっています (^^;)

ところで、ハンガリー舞曲第1番にはブラームス自身による演奏の
録音が残っているそうです。(こちらを参照
1889年12月にトーマス・エジソンの発明した蓄音器により
録音してこれが史上初の音楽家によるレコーディングということだそうですが

・・・演奏が判別できません (;−−)

ともかく、この曲がハンガリー出身のヴァイオン奏者に
由来していることもあり、弦楽器群には重厚なサウンドを
要求する編曲となっているように思います。 (^^;)
 
posted by トトロ △◎/ at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月25日

交響曲第9番「新世界より」(ドヴォルザーク作曲)その2

(その1)より続く

当初「第1楽章と第4楽章の各楽章の解説」を書くつもりでしたが
少しばかり路線変更します (^^;)

この交響曲に関しては2番フルートのソロとか
第4楽章に小さく1発しか出てこないシンバル
第2楽章に2ヶ所で合わせて10小節しか出てこないチューバ
(他の楽章はチューバの出番なし)
など謎の記述が随所に見られるのですが 
第4楽章の最後の音もある意味「謎の記述」と言えると思います(^^;)

交響曲の終わり方として
大雑把に分けると次の3つに分けられます

(1)華々しく音を切る終わり方
・・・ベートーベンの交響曲に多くみられます(第九など)
他にはチャイコフスキーの5番やマーラーの1番・5番、
シベリウスの5番、ドヴォルザークの7番・8番 など

(2)華々しく音を伸ばす終わり方
・・・ブラームスの交響曲(3番以外)、サン=サーンスの「オルガン付」
シベリウスの2番、チャイコフスキーの4番、シューベルトの「グレート」
ベルリオーズの「幻想交響曲」 など

昨年当団で演奏したショスタコーヴィチの5番は管弦共に伸ばしている中
打楽器で音を切って終わるので(1)と(2)の中間型ともいえます

(3)静かに消え入るような終わり方
・・・ブラームスの3番、チャイコフスキーの6番
他にもあると思いますがちょっと思い当たりませんでした(^^;)
なお、ベートーベンの「田園」も静かに終わる部類ですが
最後の2つの音だけff表記なのでここに含めてよいのか迷うところです

で、「新世界」なのですが

第4楽章の最後はfffのイケイケで進んだあと
Trbと弦楽器・ティンパニは4分音符で切って終わりますが
それ以外の管楽器は吹き伸ばすもののfffからpppへディミヌエンドする
(余韻を残す??)終わり方なので上述のどれにも当てはまりません

この余韻の残し方がいつも迷うところです(^^;)

演奏してみて気が付いた点としては
上でも書いている「10小節しか出てこないチューバ」にもあるように
たとえffであっても必要以上に楽器の音を重ねないところがあると思います

ホルンにおいても4人奏者がいるからホルン4本使えば良いと思われる
ようなところでも2本だけしか使わない(他の2本は休みであってもです)
そういう使い方をしています。ドヴォルザークの傾向でしょうか?

いつもながら取り留めのない解説になりました (^^;)
 
posted by トトロ △◎/ at 21:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月12日

交響曲第9番「新世界より」(ドヴォルザーク)

今回の定期演奏会のメイン曲の紹介になります
例の如く一般的な曲目解説はこちらを参照ください
また、作曲者ドヴォルザークの紹介はこちらを参照ください

私の通っていた大学が大阪にありましたので私にとって
「新世界」と言えばこちらの方が馴染深いのですが
ここで言う「新世界」とはアメリカ合衆国の事です。(^^;)

ドヴォルザークがニューヨークのナショナル音楽院の院長として
招聘されていた期間に作曲された作品の一つで、
(他にもチェロ協奏曲や弦楽四重奏曲「アメリカ」などもあります)
今回は演奏しませんが「家路」のメロディで有名な第2楽章も含め
比較的分かりやすい曲想を持ちますので、ベートーベンの「運命」や
シューベルトの「未完成」と共に「三大交響曲」と呼ばれます 

年末にベートーベンの「第九」が演奏される機会が多いのですが
この「新世界より」は年明けの演奏会に演奏される事が多いように思います

今回の演奏会で演奏する第1楽章と第4楽章の各楽章の解説を
次の機会に書きたいと思います。(その2へ続く)
 
posted by トトロ △◎/ at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月19日

ワルツ「美しく青きドナウ」(J.シュトラウス2世)

当団第9回定期演奏会の曲目解説第2弾は
ワルツ王J.シュトラウス2世によるワルツの名曲です
Wikipediaによる曲目解説はこちら

曲名は知らなくともメロディは結構有名な曲なので
特別これといって書くことはないのですが (^^;)
1867年に作曲されたということで
日本ではちょうど明治維新の頃になります

普墺戦争でプロイセン(現在のドイツ)に敗れた
オーストリアの国民を慰めるために作曲されたとの事ですが
シベリウスの「フィンランディア」、スメタナの「モルダウ」と同様
国や民族、時代を超えて親しまれる普遍性があるように思います。

この曲は1968年に制作された映画「2001年宇宙の旅」にも
エンディングなどに使われていまして
・・・今や2015年なのですが、宇宙の旅は出来ていません(^^;)

他に「美しく青きドナウ」で検索して見つけたサイトを2件紹介します

(その1)
「そこに鉄塔がある」より「美しく青きドナウ」
http://www.asahi-net.or.jp/~js4m-isgi/tettou/tettoux20.htm
色々な送電鉄塔を紹介するサイトなのですが
「ドナウ型」と呼ばれる鉄塔が青く塗装されているので
このようなタイトルになったそうです

(その2)
千葉県習志野市HPより「第一次世界大戦と習志野―大正8年の青きドナウ―」
https://www.city.narashino.lg.jp/konnamachi/bunkahistory/rekishi/640120120510101326490.html
第一次世界大戦自体はヨーロッパが主な戦場でしたが
当時ドイツが拠点を置いていた中国の青島でもドイツ軍と
日本・英国の連合軍の間で戦闘があり、その関係で日本には
ドイツ・オーストリア軍人の俘虜収容所が設置されました
徳島・鳴門の俘虜収容所でベートーベン「第九」の初演が
行われたのもこの時でした。上記サイトは習志野の収容所での
出来事として「美しく青きドナウ」が演奏されたとの事です

本稿の最後にひとつ

ウイーンフィルのニューイヤーコンサートでは
アンコールでこの曲が演奏されます。
NHKでの放映をご覧になられている方も多いと思います

この演奏では「お約束」として、最初の弦楽器のトレモロから
ホルン独奏が始まったところで指揮者が一旦演奏を中断して
指揮者とウイーンフィル団員からの新年挨拶の口上があるのです

当団の合奏練習では、最初の弦楽器のトレモロから
ホルン独奏が始まったところで吉澤先生が一旦演奏を中断して
弦楽器のトレモロがホルン奏者にはっきりと聞こえるように
弾いて下さいと注意が入るのが「お約束」になっています (;^^)

おあとがよろしいようで m(_ _;)m
posted by トトロ △◎/ at 21:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月13日

歌劇「フィデリオ」序曲(ベートーベン)

今回の定期演奏会の曲目解説第1弾はベートーベン作曲の
歌劇「フィデリオ」より序曲です。

いつもの通り詳しい解説はこちらを参照ください
また作曲者のベートーベンについてはこちらを参照ください

ベートーベン作曲による唯一の歌劇であり
一旦出来た後も改訂を重ねるなど苦心を重ねた作品のようです

上記リンクのあらすじを簡単にまとめると
主人公の「レオノーレ」(女性)が政治犯として監獄に収監されている夫を
助け出すために「フィデリオ」という名前の男性に扮して監獄の署員に
取り入り、困難を乗り越えて最終的には夫の救出に成功するという物語です。

ベートーベン自身は題名を「レオノーレ」にしたかったようですが
既に他の作曲家により同じ原作を使った歌劇が作られていた事もあり
そういう大人の事情により「フィデリオ」という題名になりました。

そのせいか、改訂のたびに書き直された序曲が
今回演奏する「フィデリオ」序曲の他に3曲ありまして
「レオノーレ」序曲第1番第2番第3番 と名付けられています

演出によっては第2幕の場面転換時に「レオノーレ」序曲第3番を
間奏曲として演奏するケースもあります(マーラーが始めたそうです)

話がそれますが、「レオノーレ」序曲第3番では曲の途中
舞台裏で演奏するトランペット独奏があります(2番にもあります)が、
あるトランペット奏者が舞台裏でこの独奏の準備をしていたところ
ホールの清掃員に「本番中だから吹いてはダメ」と羽交い絞めに
されたという話があるとかないとか、、、(^^;)

話を「フィデリオ」に戻します(^^;)

考えてみると女性が男性に扮して活躍するという物語は
他にも結構ありまして、私が思いついただけでも
「ベルサイユのばら」
「リボンの騎士」 があるのですが(^^;)

奇しくも「フィデリオ」と「ベルばら」はフランス革命
時代背景として共通している点で不思議な縁を感じます。

また、「フィデリオ(レオノーレ)」の第1稿版の初演がナポレオン
ウイーン侵攻により延期されたことも、交響曲第3番「英雄」をめぐる
ナポレオンに対するベートーベンの想いを考えると複雑なものがあります。

取り留めなく書いてみましたが
9/12の練習日記にも書いている通り「時折雲ゆきの怪しいハーモニーが現れ」るのは
不安定な政情や最終稿の頃に進行し始めた難聴のせいもあるのかも知れません

演奏する方としては ff にしても pp にしても
どちらにしても高いテンションを要求されるので
本当に「必死のパッチ」になります。(−−;)

この苦しさを乗り越えられれば本当の意味で「音楽」になるのかも知れません

いつもながら纏まらない解説でした(^^;)
 
posted by トトロ △◎/ at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月14日

Solo

そろそろSoloやな〜 という基本的なダジャレはさておき
今年の夏休み自由研究は「Solo」について取り上げます(^^;)

Wikipediaによると
「単独の演奏者によって演奏される楽曲や楽曲の部分、
あるいは楽曲のなかで単独の演奏者によって演奏される
独立したパートを示す用語」

・・ということで、手っ取り早く言えば「一人で演奏する」事
だと思うのですが、今回の当団第9回定期演奏会で演奏する
ドボルザーク作曲 交響曲第9番「新世界より」を例にとりまして
「Solo」について考えてみたいと思います。

今回この件を取り上げたのは、特にこの「新世界より」には
「Solo」に関する疑問点があり、例を挙げてみたいと思います

注:私が参照している楽譜は日本楽譜出版社発行のミニスコアです
 もし他社のスコアで記述が違うようでしたらお知らせ下さい
 また、練習番号はBreitkopf & Hartel('a'はウムラウト付)によります
 (パート譜についてはHrのものしか見ていませんので間違っているかも知れません)

例1 第1楽章最初から6小節目の1番Fl
   主旋律を一人で吹いているのにSoloとは記載されていません

例2 第1楽章最初から91小節目(練習番号C)の3番Hr
   主旋律でも対旋律でもない単に実音Dの4分音符が8小節間
   (16個)続いているだけなのにSoloと記載されています
   ちなみにこの場所は主旋律を1番Flと1番Obが演奏し
   対旋律を1番Clが演奏しています

例3 第4楽章64小節目(練習番号Cの5小節前)のシンバル
   俗にいう「1発だけの出番」のシンバルもSoloと記載されています

例4 第4楽章267小節目(練習番号Lの8小節前)の1番Hr
   ホルン奏者にとっては一番の聴かせ所でもあり鬼門でもあるのですが
   ここからの4小節間にはSoloの記載がなくその後(Lの4小節前)から
   Soloと記載されています

例5 第4楽章321小節目(練習番号Mの23小節目)の1番2番Hr
   ここの旋律は2人で演奏しているのにSoloと記載されています
   逆に第1楽章最初から24小節目の3番4番Hrが2人だけで演奏する
   旋律にSoloとは記載されていません

もちろん例1〜5いずれも作曲者ドボルザークの意図があると
思われるのですが

例えば「例4」の場合、Hrの音が結果的に一番目立つものの
基本的には木管群の動き(Cl⇒Ob⇒Fl⇒Cl)が主旋律であり
Hrはその対旋律ということでSoloではないと思われます

だとすると「例2」はどうなのか

「例5」の場合、作曲者によっては「Soli」と書くと思うのですが

結局のところ「一人で演奏する」ことを「意識して演奏する」
そういうことになるのでしょうか??
いつもながらよく分からない自由研究でした (^^;)
 
posted by トトロ △◎/ at 23:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする