今回の定期演奏会の曲目紹介も最後の1曲となりました
いつものように詳しくはこちらを参照ください(#おいおい)
ブラームスが所謂「ジプシー(ロマ)音楽」を基にして
ピアノ連弾用に編曲した作品集の中の今回演奏するのは第1番になります。
有名な第5番・第6番(ともに当団の演奏会でもよく演奏します)は
管弦楽編曲がブラームス本人ではないのに対して
今回の第1番はブラームスご自身が管弦楽用に再編曲した作品になります
で この稿で私が注目したいのは「編曲」ということです
簡単に言うと、メロディを作るのが「作曲」で
メロディに伴奏を当てるのが「編曲」です。
メロディと伴奏を一緒に「作曲」する事もありますが
メロディを基にして聴きやすいようにお膳立てする作業が
編曲ということになります
最初のリンクの記事にもある通りブラームスがレメーニという
ハンガリー出身のヴァイオリン奏者と演奏旅行した際に
レメーニから教えられたロマの民族音楽を基にして
ブラームスがこの作品(ハンガリー舞曲集)を発表しました。
この舞曲集がとにかく売れまくったので、レメーニは盗作であると
ブラームスを相手取って訴訟を起こしたそうですが、
ブラームスは自分の作曲ではなく編曲であると主張していたため
ブラームス側が勝訴したとの事です。
後に、ブラームスはドヴォルザークにアドバイスして
ドヴォルザークは「スラブ舞曲集」を発表するのですが
こちらは特徴を取り入れただけでオリジナルであるということで
「作曲」となっています (^^;)
ところで、ハンガリー舞曲第1番にはブラームス自身による演奏の
録音が残っているそうです。(こちらを参照)
1889年12月にトーマス・エジソンの発明した蓄音器により
録音してこれが史上初の音楽家によるレコーディングということだそうですが
・・・演奏が判別できません (;−−)
ともかく、この曲がハンガリー出身のヴァイオン奏者に
由来していることもあり、弦楽器群には重厚なサウンドを
要求する編曲となっているように思います。 (^^;)
2015年11月15日
2015年10月25日
交響曲第9番「新世界より」(ドヴォルザーク作曲)その2
(その1)より続く
当初「第1楽章と第4楽章の各楽章の解説」を書くつもりでしたが
少しばかり路線変更します (^^;)
この交響曲に関しては2番フルートのソロとか
第4楽章に小さく1発しか出てこないシンバル
第2楽章に2ヶ所で合わせて10小節しか出てこないチューバ
(他の楽章はチューバの出番なし)
など謎の記述が随所に見られるのですが
第4楽章の最後の音もある意味「謎の記述」と言えると思います(^^;)
交響曲の終わり方として
大雑把に分けると次の3つに分けられます
(1)華々しく音を切る終わり方
・・・ベートーベンの交響曲に多くみられます(第九など)
他にはチャイコフスキーの5番やマーラーの1番・5番、
シベリウスの5番、ドヴォルザークの7番・8番 など
(2)華々しく音を伸ばす終わり方
・・・ブラームスの交響曲(3番以外)、サン=サーンスの「オルガン付」
シベリウスの2番、チャイコフスキーの4番、シューベルトの「グレート」
ベルリオーズの「幻想交響曲」 など
昨年当団で演奏したショスタコーヴィチの5番は管弦共に伸ばしている中
打楽器で音を切って終わるので(1)と(2)の中間型ともいえます
(3)静かに消え入るような終わり方
・・・ブラームスの3番、チャイコフスキーの6番
他にもあると思いますがちょっと思い当たりませんでした(^^;)
なお、ベートーベンの「田園」も静かに終わる部類ですが
最後の2つの音だけff表記なのでここに含めてよいのか迷うところです
で、「新世界」なのですが
第4楽章の最後はfffのイケイケで進んだあと
Trbと弦楽器・ティンパニは4分音符で切って終わりますが
それ以外の管楽器は吹き伸ばすもののfffからpppへディミヌエンドする
(余韻を残す??)終わり方なので上述のどれにも当てはまりません
この余韻の残し方がいつも迷うところです(^^;)
演奏してみて気が付いた点としては
上でも書いている「10小節しか出てこないチューバ」にもあるように
たとえffであっても必要以上に楽器の音を重ねないところがあると思います
ホルンにおいても4人奏者がいるからホルン4本使えば良いと思われる
ようなところでも2本だけしか使わない(他の2本は休みであってもです)
そういう使い方をしています。ドヴォルザークの傾向でしょうか?
いつもながら取り留めのない解説になりました (^^;)
当初「第1楽章と第4楽章の各楽章の解説」を書くつもりでしたが
少しばかり路線変更します (^^;)
この交響曲に関しては2番フルートのソロとか
第4楽章に小さく1発しか出てこないシンバル
第2楽章に2ヶ所で合わせて10小節しか出てこないチューバ
(他の楽章はチューバの出番なし)
など謎の記述が随所に見られるのですが
第4楽章の最後の音もある意味「謎の記述」と言えると思います(^^;)
交響曲の終わり方として
大雑把に分けると次の3つに分けられます
(1)華々しく音を切る終わり方
・・・ベートーベンの交響曲に多くみられます(第九など)
他にはチャイコフスキーの5番やマーラーの1番・5番、
シベリウスの5番、ドヴォルザークの7番・8番 など
(2)華々しく音を伸ばす終わり方
・・・ブラームスの交響曲(3番以外)、サン=サーンスの「オルガン付」
シベリウスの2番、チャイコフスキーの4番、シューベルトの「グレート」
ベルリオーズの「幻想交響曲」 など
昨年当団で演奏したショスタコーヴィチの5番は管弦共に伸ばしている中
打楽器で音を切って終わるので(1)と(2)の中間型ともいえます
(3)静かに消え入るような終わり方
・・・ブラームスの3番、チャイコフスキーの6番
他にもあると思いますがちょっと思い当たりませんでした(^^;)
なお、ベートーベンの「田園」も静かに終わる部類ですが
最後の2つの音だけff表記なのでここに含めてよいのか迷うところです
で、「新世界」なのですが
第4楽章の最後はfffのイケイケで進んだあと
Trbと弦楽器・ティンパニは4分音符で切って終わりますが
それ以外の管楽器は吹き伸ばすもののfffからpppへディミヌエンドする
(余韻を残す??)終わり方なので上述のどれにも当てはまりません
この余韻の残し方がいつも迷うところです(^^;)
演奏してみて気が付いた点としては
上でも書いている「10小節しか出てこないチューバ」にもあるように
たとえffであっても必要以上に楽器の音を重ねないところがあると思います
ホルンにおいても4人奏者がいるからホルン4本使えば良いと思われる
ようなところでも2本だけしか使わない(他の2本は休みであってもです)
そういう使い方をしています。ドヴォルザークの傾向でしょうか?
いつもながら取り留めのない解説になりました (^^;)
2015年10月12日
交響曲第9番「新世界より」(ドヴォルザーク)
今回の定期演奏会のメイン曲の紹介になります
例の如く一般的な曲目解説はこちらを参照ください
また、作曲者ドヴォルザークの紹介はこちらを参照ください
私の通っていた大学が大阪にありましたので私にとって
「新世界」と言えばこちらの方が馴染深いのですが
ここで言う「新世界」とはアメリカ合衆国の事です。(^^;)
ドヴォルザークがニューヨークのナショナル音楽院の院長として
招聘されていた期間に作曲された作品の一つで、
(他にもチェロ協奏曲や弦楽四重奏曲「アメリカ」などもあります)
今回は演奏しませんが「家路」のメロディで有名な第2楽章も含め
比較的分かりやすい曲想を持ちますので、ベートーベンの「運命」や
シューベルトの「未完成」と共に「三大交響曲」と呼ばれます
年末にベートーベンの「第九」が演奏される機会が多いのですが
この「新世界より」は年明けの演奏会に演奏される事が多いように思います
今回の演奏会で演奏する第1楽章と第4楽章の各楽章の解説を
次の機会に書きたいと思います。(その2へ続く)
例の如く一般的な曲目解説はこちらを参照ください
また、作曲者ドヴォルザークの紹介はこちらを参照ください
私の通っていた大学が大阪にありましたので私にとって
「新世界」と言えばこちらの方が馴染深いのですが
ここで言う「新世界」とはアメリカ合衆国の事です。(^^;)
ドヴォルザークがニューヨークのナショナル音楽院の院長として
招聘されていた期間に作曲された作品の一つで、
(他にもチェロ協奏曲や弦楽四重奏曲「アメリカ」などもあります)
今回は演奏しませんが「家路」のメロディで有名な第2楽章も含め
比較的分かりやすい曲想を持ちますので、ベートーベンの「運命」や
シューベルトの「未完成」と共に「三大交響曲」と呼ばれます
年末にベートーベンの「第九」が演奏される機会が多いのですが
この「新世界より」は年明けの演奏会に演奏される事が多いように思います
今回の演奏会で演奏する第1楽章と第4楽章の各楽章の解説を
次の機会に書きたいと思います。(その2へ続く)
2015年09月19日
ワルツ「美しく青きドナウ」(J.シュトラウス2世)
当団第9回定期演奏会の曲目解説第2弾は
ワルツ王J.シュトラウス2世によるワルツの名曲です
Wikipediaによる曲目解説はこちら
曲名は知らなくともメロディは結構有名な曲なので
特別これといって書くことはないのですが (^^;)
1867年に作曲されたということで
日本ではちょうど明治維新の頃になります
普墺戦争でプロイセン(現在のドイツ)に敗れた
オーストリアの国民を慰めるために作曲されたとの事ですが
シベリウスの「フィンランディア」、スメタナの「モルダウ」と同様
国や民族、時代を超えて親しまれる普遍性があるように思います。
この曲は1968年に制作された映画「2001年宇宙の旅」にも
エンディングなどに使われていまして
・・・今や2015年なのですが、宇宙の旅は出来ていません(^^;)
他に「美しく青きドナウ」で検索して見つけたサイトを2件紹介します
(その1)
「そこに鉄塔がある」より「美しく青きドナウ」
http://www.asahi-net.or.jp/~js4m-isgi/tettou/tettoux20.htm
色々な送電鉄塔を紹介するサイトなのですが
「ドナウ型」と呼ばれる鉄塔が青く塗装されているので
このようなタイトルになったそうです
(その2)
千葉県習志野市HPより「第一次世界大戦と習志野―大正8年の青きドナウ―」
https://www.city.narashino.lg.jp/konnamachi/bunkahistory/rekishi/640120120510101326490.html
第一次世界大戦自体はヨーロッパが主な戦場でしたが
当時ドイツが拠点を置いていた中国の青島でもドイツ軍と
日本・英国の連合軍の間で戦闘があり、その関係で日本には
ドイツ・オーストリア軍人の俘虜収容所が設置されました
徳島・鳴門の俘虜収容所でベートーベン「第九」の初演が
行われたのもこの時でした。上記サイトは習志野の収容所での
出来事として「美しく青きドナウ」が演奏されたとの事です
本稿の最後にひとつ
ウイーンフィルのニューイヤーコンサートでは
アンコールでこの曲が演奏されます。
NHKでの放映をご覧になられている方も多いと思います
この演奏では「お約束」として、最初の弦楽器のトレモロから
ホルン独奏が始まったところで指揮者が一旦演奏を中断して
指揮者とウイーンフィル団員からの新年挨拶の口上があるのです
当団の合奏練習では、最初の弦楽器のトレモロから
ホルン独奏が始まったところで吉澤先生が一旦演奏を中断して
弦楽器のトレモロがホルン奏者にはっきりと聞こえるように
弾いて下さいと注意が入るのが「お約束」になっています (;^^)
おあとがよろしいようで m(_ _;)m
ワルツ王J.シュトラウス2世によるワルツの名曲です
Wikipediaによる曲目解説はこちら
曲名は知らなくともメロディは結構有名な曲なので
特別これといって書くことはないのですが (^^;)
1867年に作曲されたということで
日本ではちょうど明治維新の頃になります
普墺戦争でプロイセン(現在のドイツ)に敗れた
オーストリアの国民を慰めるために作曲されたとの事ですが
シベリウスの「フィンランディア」、スメタナの「モルダウ」と同様
国や民族、時代を超えて親しまれる普遍性があるように思います。
この曲は1968年に制作された映画「2001年宇宙の旅」にも
エンディングなどに使われていまして
・・・今や2015年なのですが、宇宙の旅は出来ていません(^^;)
他に「美しく青きドナウ」で検索して見つけたサイトを2件紹介します
(その1)
「そこに鉄塔がある」より「美しく青きドナウ」
http://www.asahi-net.or.jp/~js4m-isgi/tettou/tettoux20.htm
色々な送電鉄塔を紹介するサイトなのですが
「ドナウ型」と呼ばれる鉄塔が青く塗装されているので
このようなタイトルになったそうです
(その2)
千葉県習志野市HPより「第一次世界大戦と習志野―大正8年の青きドナウ―」
https://www.city.narashino.lg.jp/konnamachi/bunkahistory/rekishi/640120120510101326490.html
第一次世界大戦自体はヨーロッパが主な戦場でしたが
当時ドイツが拠点を置いていた中国の青島でもドイツ軍と
日本・英国の連合軍の間で戦闘があり、その関係で日本には
ドイツ・オーストリア軍人の俘虜収容所が設置されました
徳島・鳴門の俘虜収容所でベートーベン「第九」の初演が
行われたのもこの時でした。上記サイトは習志野の収容所での
出来事として「美しく青きドナウ」が演奏されたとの事です
本稿の最後にひとつ
ウイーンフィルのニューイヤーコンサートでは
アンコールでこの曲が演奏されます。
NHKでの放映をご覧になられている方も多いと思います
この演奏では「お約束」として、最初の弦楽器のトレモロから
ホルン独奏が始まったところで指揮者が一旦演奏を中断して
指揮者とウイーンフィル団員からの新年挨拶の口上があるのです
当団の合奏練習では、最初の弦楽器のトレモロから
ホルン独奏が始まったところで吉澤先生が一旦演奏を中断して
弦楽器のトレモロがホルン奏者にはっきりと聞こえるように
弾いて下さいと注意が入るのが「お約束」になっています (;^^)
おあとがよろしいようで m(_ _;)m
2015年09月13日
歌劇「フィデリオ」序曲(ベートーベン)
今回の定期演奏会の曲目解説第1弾はベートーベン作曲の
歌劇「フィデリオ」より序曲です。
いつもの通り詳しい解説はこちらを参照ください
また作曲者のベートーベンについてはこちらを参照ください
ベートーベン作曲による唯一の歌劇であり
一旦出来た後も改訂を重ねるなど苦心を重ねた作品のようです
上記リンクのあらすじを簡単にまとめると
主人公の「レオノーレ」(女性)が政治犯として監獄に収監されている夫を
助け出すために「フィデリオ」という名前の男性に扮して監獄の署員に
取り入り、困難を乗り越えて最終的には夫の救出に成功するという物語です。
ベートーベン自身は題名を「レオノーレ」にしたかったようですが
既に他の作曲家により同じ原作を使った歌劇が作られていた事もあり
そういう大人の事情により「フィデリオ」という題名になりました。
そのせいか、改訂のたびに書き直された序曲が
今回演奏する「フィデリオ」序曲の他に3曲ありまして
「レオノーレ」序曲第1番、第2番、第3番 と名付けられています
演出によっては第2幕の場面転換時に「レオノーレ」序曲第3番を
間奏曲として演奏するケースもあります(マーラーが始めたそうです)
話がそれますが、「レオノーレ」序曲第3番では曲の途中
舞台裏で演奏するトランペット独奏があります(2番にもあります)が、
あるトランペット奏者が舞台裏でこの独奏の準備をしていたところ
ホールの清掃員に「本番中だから吹いてはダメ」と羽交い絞めに
されたという話があるとかないとか、、、(^^;)
話を「フィデリオ」に戻します(^^;)
考えてみると女性が男性に扮して活躍するという物語は
他にも結構ありまして、私が思いついただけでも
「ベルサイユのばら」 や
「リボンの騎士」 があるのですが(^^;)
奇しくも「フィデリオ」と「ベルばら」はフランス革命が
時代背景として共通している点で不思議な縁を感じます。
また、「フィデリオ(レオノーレ)」の第1稿版の初演がナポレオンの
ウイーン侵攻により延期されたことも、交響曲第3番「英雄」をめぐる
ナポレオンに対するベートーベンの想いを考えると複雑なものがあります。
取り留めなく書いてみましたが
9/12の練習日記にも書いている通り「時折雲ゆきの怪しいハーモニーが現れ」るのは
不安定な政情や最終稿の頃に進行し始めた難聴のせいもあるのかも知れません
演奏する方としては ff にしても pp にしても
どちらにしても高いテンションを要求されるので
本当に「必死のパッチ」になります。(−−;)
この苦しさを乗り越えられれば本当の意味で「音楽」になるのかも知れません
いつもながら纏まらない解説でした(^^;)
歌劇「フィデリオ」より序曲です。
いつもの通り詳しい解説はこちらを参照ください
また作曲者のベートーベンについてはこちらを参照ください
ベートーベン作曲による唯一の歌劇であり
一旦出来た後も改訂を重ねるなど苦心を重ねた作品のようです
上記リンクのあらすじを簡単にまとめると
主人公の「レオノーレ」(女性)が政治犯として監獄に収監されている夫を
助け出すために「フィデリオ」という名前の男性に扮して監獄の署員に
取り入り、困難を乗り越えて最終的には夫の救出に成功するという物語です。
ベートーベン自身は題名を「レオノーレ」にしたかったようですが
既に他の作曲家により同じ原作を使った歌劇が作られていた事もあり
そういう大人の事情により「フィデリオ」という題名になりました。
そのせいか、改訂のたびに書き直された序曲が
今回演奏する「フィデリオ」序曲の他に3曲ありまして
「レオノーレ」序曲第1番、第2番、第3番 と名付けられています
演出によっては第2幕の場面転換時に「レオノーレ」序曲第3番を
間奏曲として演奏するケースもあります(マーラーが始めたそうです)
話がそれますが、「レオノーレ」序曲第3番では曲の途中
舞台裏で演奏するトランペット独奏があります(2番にもあります)が、
あるトランペット奏者が舞台裏でこの独奏の準備をしていたところ
ホールの清掃員に「本番中だから吹いてはダメ」と羽交い絞めに
されたという話があるとかないとか、、、(^^;)
話を「フィデリオ」に戻します(^^;)
考えてみると女性が男性に扮して活躍するという物語は
他にも結構ありまして、私が思いついただけでも
「ベルサイユのばら」 や
「リボンの騎士」 があるのですが(^^;)
奇しくも「フィデリオ」と「ベルばら」はフランス革命が
時代背景として共通している点で不思議な縁を感じます。
また、「フィデリオ(レオノーレ)」の第1稿版の初演がナポレオンの
ウイーン侵攻により延期されたことも、交響曲第3番「英雄」をめぐる
ナポレオンに対するベートーベンの想いを考えると複雑なものがあります。
取り留めなく書いてみましたが
9/12の練習日記にも書いている通り「時折雲ゆきの怪しいハーモニーが現れ」るのは
不安定な政情や最終稿の頃に進行し始めた難聴のせいもあるのかも知れません
演奏する方としては ff にしても pp にしても
どちらにしても高いテンションを要求されるので
本当に「必死のパッチ」になります。(−−;)
この苦しさを乗り越えられれば本当の意味で「音楽」になるのかも知れません
いつもながら纏まらない解説でした(^^;)
2015年08月14日
Solo
そろそろSoloやな〜 という基本的なダジャレはさておき
今年の夏休み自由研究は「Solo」について取り上げます(^^;)
Wikipediaによると、
「単独の演奏者によって演奏される楽曲や楽曲の部分、
あるいは楽曲のなかで単独の演奏者によって演奏される
独立したパートを示す用語」
・・ということで、手っ取り早く言えば「一人で演奏する」事
だと思うのですが、今回の当団第9回定期演奏会で演奏する
ドボルザーク作曲 交響曲第9番「新世界より」を例にとりまして
「Solo」について考えてみたいと思います。
今回この件を取り上げたのは、特にこの「新世界より」には
「Solo」に関する疑問点があり、例を挙げてみたいと思います
注:私が参照している楽譜は日本楽譜出版社発行のミニスコアです
もし他社のスコアで記述が違うようでしたらお知らせ下さい
また、練習番号はBreitkopf & Hartel('a'はウムラウト付)によります
(パート譜についてはHrのものしか見ていませんので間違っているかも知れません)
例1 第1楽章最初から6小節目の1番Fl
主旋律を一人で吹いているのにSoloとは記載されていません
例2 第1楽章最初から91小節目(練習番号C)の3番Hr
主旋律でも対旋律でもない単に実音Dの4分音符が8小節間
(16個)続いているだけなのにSoloと記載されています
ちなみにこの場所は主旋律を1番Flと1番Obが演奏し
対旋律を1番Clが演奏しています
例3 第4楽章64小節目(練習番号Cの5小節前)のシンバル
俗にいう「1発だけの出番」のシンバルもSoloと記載されています
例4 第4楽章267小節目(練習番号Lの8小節前)の1番Hr
ホルン奏者にとっては一番の聴かせ所でもあり鬼門でもあるのですが
ここからの4小節間にはSoloの記載がなくその後(Lの4小節前)から
Soloと記載されています
例5 第4楽章321小節目(練習番号Mの23小節目)の1番2番Hr
ここの旋律は2人で演奏しているのにSoloと記載されています
逆に第1楽章最初から24小節目の3番4番Hrが2人だけで演奏する
旋律にSoloとは記載されていません
もちろん例1〜5いずれも作曲者ドボルザークの意図があると
思われるのですが
例えば「例4」の場合、Hrの音が結果的に一番目立つものの
基本的には木管群の動き(Cl⇒Ob⇒Fl⇒Cl)が主旋律であり
Hrはその対旋律ということでSoloではないと思われます
だとすると「例2」はどうなのか
「例5」の場合、作曲者によっては「Soli」と書くと思うのですが
結局のところ「一人で演奏する」ことを「意識して演奏する」
そういうことになるのでしょうか??
いつもながらよく分からない自由研究でした (^^;)
今年の夏休み自由研究は「Solo」について取り上げます(^^;)
Wikipediaによると、
「単独の演奏者によって演奏される楽曲や楽曲の部分、
あるいは楽曲のなかで単独の演奏者によって演奏される
独立したパートを示す用語」
・・ということで、手っ取り早く言えば「一人で演奏する」事
だと思うのですが、今回の当団第9回定期演奏会で演奏する
ドボルザーク作曲 交響曲第9番「新世界より」を例にとりまして
「Solo」について考えてみたいと思います。
今回この件を取り上げたのは、特にこの「新世界より」には
「Solo」に関する疑問点があり、例を挙げてみたいと思います
注:私が参照している楽譜は日本楽譜出版社発行のミニスコアです
もし他社のスコアで記述が違うようでしたらお知らせ下さい
また、練習番号はBreitkopf & Hartel('a'はウムラウト付)によります
(パート譜についてはHrのものしか見ていませんので間違っているかも知れません)
例1 第1楽章最初から6小節目の1番Fl
主旋律を一人で吹いているのにSoloとは記載されていません
例2 第1楽章最初から91小節目(練習番号C)の3番Hr
主旋律でも対旋律でもない単に実音Dの4分音符が8小節間
(16個)続いているだけなのにSoloと記載されています
ちなみにこの場所は主旋律を1番Flと1番Obが演奏し
対旋律を1番Clが演奏しています
例3 第4楽章64小節目(練習番号Cの5小節前)のシンバル
俗にいう「1発だけの出番」のシンバルもSoloと記載されています
例4 第4楽章267小節目(練習番号Lの8小節前)の1番Hr
ホルン奏者にとっては一番の聴かせ所でもあり鬼門でもあるのですが
ここからの4小節間にはSoloの記載がなくその後(Lの4小節前)から
Soloと記載されています
例5 第4楽章321小節目(練習番号Mの23小節目)の1番2番Hr
ここの旋律は2人で演奏しているのにSoloと記載されています
逆に第1楽章最初から24小節目の3番4番Hrが2人だけで演奏する
旋律にSoloとは記載されていません
もちろん例1〜5いずれも作曲者ドボルザークの意図があると
思われるのですが
例えば「例4」の場合、Hrの音が結果的に一番目立つものの
基本的には木管群の動き(Cl⇒Ob⇒Fl⇒Cl)が主旋律であり
Hrはその対旋律ということでSoloではないと思われます
だとすると「例2」はどうなのか
「例5」の場合、作曲者によっては「Soli」と書くと思うのですが
結局のところ「一人で演奏する」ことを「意識して演奏する」
そういうことになるのでしょうか??
いつもながらよく分からない自由研究でした (^^;)
2015年05月24日
デュメイ&関西フィルハーモニー管弦楽団 特別演奏会(東条コスミックホール)
昨日の練習日記でもご案内の通り本日は東条コスミックホールで
関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏会がありました
CDで聴くのと違って演奏会を生で聴くと
新しい発見があったりしまして楽しめました
曲目は
マスネ: タイスの瞑想曲
ブラームス: ハンガリー舞曲 第2番・第5番 (バイオリン独奏:A.デュメイ)
モーツァルト: 交響曲 第29番イ長調
ブラームス: 交響曲第4番 OP.98
ということでVnソロ+弦楽合奏によるハンガリー舞曲は
初めて聴くものでして新鮮でした。
(関西フィルのブログによるとこのハンガリー舞曲は日本では今回の東条でしか演奏されないそうです)
演奏会ではブラームス4番の終楽章で1stバイオリン2プルト目?の方の
楽器の弦が演奏中に切れるというハプニングもありまして
後ろのプルトの方の楽器と順次交換して、一番後ろの方が舞台袖へ
一旦退場してその後楽器を交換して再入場されるという事がありました
#話には聞いたことがあるのですが
実際にその光景を目撃したのは初めてでした (^^;)
また、前半のプログラムのモーツァルトの交響曲(29番)の時
指揮のデュメイさんが動くたびに指揮台が軋む音が気になったため
後半のブラームス4番では指揮台なしということになりました。(^^;)
デュメイさんは舞台入口扉の上部に頭をぶつけるのでは?と
心配になるくらい背が高いので指揮台なしでも良かったのではと
思うのですが、当局によりますと当初指揮台を使ったのは
デュメイさんのご意向だったそうです。
私は昨年の東条での演奏会は急用で(チケットを買っていたのに)
聴きに行けませんでしたのでデュメイさんと関西フィルの
組み合わせは初めてでしたが、何となく弦楽器が実際の人数以上に
濃厚に感じられました。
(舞台の関係で10型?のあまり大きくない編成でした)
ともあれ、これでレポートを締めくくりたいと思います
関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏会がありました
CDで聴くのと違って演奏会を生で聴くと
新しい発見があったりしまして楽しめました
曲目は
マスネ: タイスの瞑想曲
ブラームス: ハンガリー舞曲 第2番・第5番 (バイオリン独奏:A.デュメイ)
モーツァルト: 交響曲 第29番イ長調
ブラームス: 交響曲第4番 OP.98
ということでVnソロ+弦楽合奏によるハンガリー舞曲は
初めて聴くものでして新鮮でした。
(関西フィルのブログによるとこのハンガリー舞曲は日本では今回の東条でしか演奏されないそうです)
演奏会ではブラームス4番の終楽章で1stバイオリン2プルト目?の方の
楽器の弦が演奏中に切れるというハプニングもありまして
後ろのプルトの方の楽器と順次交換して、一番後ろの方が舞台袖へ
一旦退場してその後楽器を交換して再入場されるという事がありました
#話には聞いたことがあるのですが
実際にその光景を目撃したのは初めてでした (^^;)
また、前半のプログラムのモーツァルトの交響曲(29番)の時
指揮のデュメイさんが動くたびに指揮台が軋む音が気になったため
後半のブラームス4番では指揮台なしということになりました。(^^;)
デュメイさんは舞台入口扉の上部に頭をぶつけるのでは?と
心配になるくらい背が高いので指揮台なしでも良かったのではと
思うのですが、当局によりますと当初指揮台を使ったのは
デュメイさんのご意向だったそうです。
私は昨年の東条での演奏会は急用で(チケットを買っていたのに)
聴きに行けませんでしたのでデュメイさんと関西フィルの
組み合わせは初めてでしたが、何となく弦楽器が実際の人数以上に
濃厚に感じられました。
(舞台の関係で10型?のあまり大きくない編成でした)
ともあれ、これでレポートを締めくくりたいと思います
2015年05月12日
TV番組の紹介
5/24に加東市・東条コスミックホールにて
関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏会がありますが
事前参考として関西フィルを含む関西の4つのプロオケを紹介する
TV番組があるとの事なので録画してご覧ください
関西フィルハーモニー管弦楽団ブログより
「4大オーケストラの響演」の様子がテレビ放映されます!!
放送予定日(ABCテレビ)
2015年5月15日(金)深夜25時34分〜(105分番組)
(土曜日の深夜午前1:34〜)
取り急ぎご参考まで
関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏会がありますが
事前参考として関西フィルを含む関西の4つのプロオケを紹介する
TV番組があるとの事なので録画してご覧ください
関西フィルハーモニー管弦楽団ブログより
「4大オーケストラの響演」の様子がテレビ放映されます!!
放送予定日(ABCテレビ)
2015年5月15日(金)深夜25時34分〜(105分番組)
(土曜日の深夜午前1:34〜)
取り急ぎご参考まで
2015年04月25日
歌劇「アイーダ」より凱旋行進曲(ヴェルディ)
6月の加東混声合唱団定期で当団が演奏する曲目は
(オケ単独)
交響詩「フィンランディア」(シベリウス)
バレエ音楽「コッペリア」より「序奏とマズルカ」(ドリーヴ)
(オケ・合唱団合同演奏)
「レクイエム」抜粋(モーツァルト)
歌劇「アイーダ」より凱旋行進曲(ヴェルディ)
ということで今回は「アイーダ」を取り上げたいと思います
いつものように詳しい解説はリンク先を参照下さい (^^;)
(作曲者ヴェルディについてはこちらを参照)
今回演奏する凱旋行進曲はオペラの第2幕第2場ということで
中間部のクライマックスということになります
物語自体はこの時に凱旋したエジプト軍の司令官ラダメスが
この後の第3幕でアイーダ(敵方エチオピアの王女が身分を偽ってエジプト王女に仕えている)に
軍事機密を話してしまい、エジプト軍は勝利するものの
ラダメスは生き埋めの刑に処され、アイーダもその時に
一緒に行き埋められるという悲劇で終わります
この曲は1871年12月に初演されました
後述のスエズ運河開通を記念してカイロに建設された
オペラ劇場の杮落としに作曲を依頼されたとの説があるのですが、
実際のところは当該劇場の杮落しはヴェルディの「リゴレット」でして
その後でエジプトを舞台とした作品制作を依頼されたということです
この時代日本では1868年に明治維新(明治改元)
欧州では1870年に普仏戦争
(プロイセン=現在のドイツとフランスの間に起きた戦争)が起きています
エジプトでは1869年にスエズ運河が開通して
それまで欧州〜アジアの航路はアフリカ大陸南端を回るか
船から荷降ろしをして陸路で運搬していたので
物流が大きく変わる事になりました。
しかしながらスエズ運河建設の財政負担はエジプトを
疲弊させてイギリスの進出を許すことになり、ついには
1882年にイギリスの支配下に置かれることになりました
(その後1922年までイギリスの支配が続きます)
ともあれ、そういう時代背景もありまして
アイーダの初演もパリで製作されていた舞台装置や
舞台衣装が前述の普仏戦争による人手不足で遅延し、
さらにはフランスから運び出せなくなるトラブルもあり
当初の予定より11ヶ月も初演が遅れることになりました
実際のオペラではこの凱旋行進曲の時に
アイーダ・トランペットと呼ばれるファンファーレ用の
トランペットが6本使われ、他にも多数の金管楽器群による
軍楽隊を舞台上・舞台外に配置するのですが(所謂「バンダ」)
当団の演奏会ではそもそもLOCホールがそれほど大きくないので (^^;)
舞台上のオケの金管楽器奏者がバンダのパートも演奏します
・・・そのせいか結構疲れます (−−;)
いつもながら訳のわからない解説となりました (^^;)
(オケ単独)
交響詩「フィンランディア」(シベリウス)
バレエ音楽「コッペリア」より「序奏とマズルカ」(ドリーヴ)
(オケ・合唱団合同演奏)
「レクイエム」抜粋(モーツァルト)
歌劇「アイーダ」より凱旋行進曲(ヴェルディ)
ということで今回は「アイーダ」を取り上げたいと思います
いつものように詳しい解説はリンク先を参照下さい (^^;)
(作曲者ヴェルディについてはこちらを参照)
今回演奏する凱旋行進曲はオペラの第2幕第2場ということで
中間部のクライマックスということになります
物語自体はこの時に凱旋したエジプト軍の司令官ラダメスが
この後の第3幕でアイーダ(敵方エチオピアの王女が身分を偽ってエジプト王女に仕えている)に
軍事機密を話してしまい、エジプト軍は勝利するものの
ラダメスは生き埋めの刑に処され、アイーダもその時に
一緒に行き埋められるという悲劇で終わります
この曲は1871年12月に初演されました
後述のスエズ運河開通を記念してカイロに建設された
オペラ劇場の杮落としに作曲を依頼されたとの説があるのですが、
実際のところは当該劇場の杮落しはヴェルディの「リゴレット」でして
その後でエジプトを舞台とした作品制作を依頼されたということです
この時代日本では1868年に明治維新(明治改元)
欧州では1870年に普仏戦争
(プロイセン=現在のドイツとフランスの間に起きた戦争)が起きています
エジプトでは1869年にスエズ運河が開通して
それまで欧州〜アジアの航路はアフリカ大陸南端を回るか
船から荷降ろしをして陸路で運搬していたので
物流が大きく変わる事になりました。
しかしながらスエズ運河建設の財政負担はエジプトを
疲弊させてイギリスの進出を許すことになり、ついには
1882年にイギリスの支配下に置かれることになりました
(その後1922年までイギリスの支配が続きます)
ともあれ、そういう時代背景もありまして
アイーダの初演もパリで製作されていた舞台装置や
舞台衣装が前述の普仏戦争による人手不足で遅延し、
さらにはフランスから運び出せなくなるトラブルもあり
当初の予定より11ヶ月も初演が遅れることになりました
実際のオペラではこの凱旋行進曲の時に
アイーダ・トランペットと呼ばれるファンファーレ用の
トランペットが6本使われ、他にも多数の金管楽器群による
軍楽隊を舞台上・舞台外に配置するのですが(所謂「バンダ」)
当団の演奏会ではそもそもLOCホールがそれほど大きくないので (^^;)
舞台上のオケの金管楽器奏者がバンダのパートも演奏します
・・・そのせいか結構疲れます (−−;)
いつもながら訳のわからない解説となりました (^^;)
2015年01月25日
スケーターズワルツ(ワルトトイフェル)
3月のスプリングコンサートの曲目紹介の第2弾です
でも・・・
正直なところ、この曲そのものについては特段
内容紹介のネタがありません! (^^;)
作曲者のプロフィールはこちらを参照するとして (おいおい)
作曲者のエミール・ワルトトイフェルは
フランスの作曲家なのですがドイツ風のファミリーネームと
フランス風のファーストネームが組み合わさった名前なので
なぜ?と思っていたところ、出身地がアルザス地方ということで
「最後の授業」という物語の舞台となったところと言えば
ある年代以上の方は分かって頂けるのではないかと思います。
(「最後の授業」は昭和60年以降教科書に使われていないそうです)
ワルトトイフェルは「こうもり」序曲のJ.シュトラウス2世と
同時期にフランスを中心に活躍されていたのですが
J.シュトラウス2世とは違い、フランスではその後の印象主義の
台頭により時代から取り残されてしまう結果になりました。
こちらの解説によるとこの曲は1882年頃にパリ西部の
ブローニュの森でアイススケートに興じる人々の様子に
着想を得て作曲されたとの事です。
一度は聴いた事のある有名なメロディを有する曲ですが
意外と全体を通して聴くことの少ない曲ではないかと思います。
・・・この曲がホルンの独奏から始まることを楽譜を見るまで
全く知りませんでした (^^;)
それはさておき
スケートに音楽はつきものというか
フィギュアスケートには様々な音楽が使われているのですが
これまでは歌詞のある歌を伴う音楽は競技では使えませんでした。
例えば、2006年トリノ五輪で荒川静香選手が金メダルを取った時の曲は
プッチーニの歌劇「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」という
本来はテノール独唱の曲なのですが、当時の競技規則により
Vn独奏にアレンジされた演奏を音楽として使用していました。
(参考サイト: フィギュアスケート音楽集〜リンクを彩るクラシック音楽)
ところが、今冬の競技シーズンより歌曲も使えるようになったそうです。
参考: 2014年10月7日付毎日新聞
曲目紹介というよりも余計な話の多い怪説となりました (^^;)
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